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人間になればよかった...
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金曜は茨城に出かける日。小学校の授業が新学期から6時間になってしまい、帰ってきた娘は疲れきってぐうぐう寝ている。出発時間になっても起きられず、揺り動かすとひどく泣き出した。茨城には行きたいよ、起きるのはつらいよ、と言って泣きじゃくっている。仕方ない、一時間電車を遅らせることにして、待ち時間の間にこの日記をつけている。
苛々した気持は書き留める意味がないようだ。娘の呼吸の音を聞きに行き、静かな気持になる。早すぎず、遅すぎない時間の過ごし方を今日は目指してみよう。あと15分したら立ち上がり、娘を揺り動かし、この部屋の電気を消そう。家の鍵をかけて、雨の中をなるべく娘の速度に合わせて歩こう。それが今日の努力だ。15分。……娘の寝顔。
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バレエを続けていると、動きの良い身体を作る必要にせまられて、いつも身体にいい食べ物や、足腰を強くする方法を考えるようになってきた。CSで放送されるヨガを時々やってみると、気持がポジティブになって、全身状態が向上するのが判る。胃や腸は小さな痛みの内に手当されて、静かな呼吸と共に怒りも哀しみもない世界に入っていく。中原中也や梶井基次郎の本を読んで、自分がこの人たちを虚弱体質や神経症のせいと思う日が来るのではないかと恐れている。バレエは美を、ヨガは身体と心の一体化を目指すように思うが、字の世界は不完全な人間の、不完全さを肯定する事を目指している気がする。わたしは惹かれるものが増える度に迷い、自分が何を第一に優先して暮らすべきかを、ますます決めかねている。
骨に、筋肉がついて、内臓がついて、皮で覆われて、毛が退化しておかしな箇所を覆っている。声帯が震えて、日本で使われている言葉を喉から吐き出す。「わたしは、むかしから、しんぽがありません」
腹の内臓の中に、人によっては宝石があるそうで、小判、紙くず、石、毛糸、いろいろと入っていて、死後に簡単に取り出せるそうだ。布が全身をくるんでいるので、どこから覗いても、結局はよく見えないのだが。
黄緑色の薄い葉が、たがいちがいに、光を受けてそよいでいる。自分がただの影になってしまったようで、もうとっくにここから消えてしまった身体のような気がする。鳩が汚いパン屑をついばんでいる。
ストレッチを習いに行く途中、いつも眺める原っぱに蝶が2匹いるのを見つけた。タンポポの花の上を音もなく舞っている。秋に姿を消した蝶の準備が、今ここで光を受けている。影も形もなくなった記憶の蝶が、まるで死んだ友達のように思える。
かけぬなら しぬきでかこう ホトトギス
かけぬなら あそんでみよう ホトトギス
かけぬなら ねたあとかけよ ホトトギス
茨城でも桜が満開の時期になると、ここもあそこも桜だったか、と存在に気がつく。八重桜やしだれ桜など、個人のお宅の庭にも意外と植えられているようだ。今日買い物に行った野菜の産地直送店では、駐車場の周りがみな桜で、東京で見逃した満開と散り際の綺麗な瞬間に立ち会うことが出来た。ひらり、ひらりと、寒空の下落ちてくる。買った筍や菜の花を袋にぶら下げて桜を見ていると、いいようのない静かな喜びがわいてくる。この画を胸にしまっておいて、辛い日には思い出そう。
東京の自宅に着いてすぐ、今年初めての筍を茹でた。栄養はほとんどないそうだけど、これは人の感謝の心を養う食べ物ではないかと思う。命が短く、掘るのも大変、茹でるのも大変、それで栄養がない、手間暇だけを食すようなものである。たぶんそれが食べる人の心に反応するのだろう。
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