影だけ

実姉の家に行ったら、ベランダの向こうは緑の森が延々と広がっていた。鹿もよく来ると言う。目を凝らしたが、濃霧しか見えなかった。

夏景色

明後日は、相棒小沼雄一が監督した『童貞放浪記』の劇場公開初日です。面白い映画ですので、ぜひ沢山の方に観ていただけたらと思います。繊細な、ユニークな視点の恋愛物語です。

北海道４日目。ここの涼しい気候に慣れてきた。夜はストーブを焚いている。

海の神様

この街で育った時の私的な思い出を、Ｎ市固有の風景として語ってはいけない気がする。Ｎ市はＮ市、家は家だ。今年は何故だかそう思って、長くいても、方言が戻らないままだ。

漁師町のせいか、この町の一軒家には、よく神棚が付いている。

トタン屋根

夜になり、ひどい濃霧でミルクの中にいるようだ。

昼間に二階の窓から写真を撮った。この土地には、トタン屋根の家ばかり建っている。古くて倒壊した木造の家も、たまに見かける。

実家

二年ぶりに北海道Ｎ市に帰郷した。街自体何も変化はないように見える。
ここにはパソコン環境がないので、携帯電話で日記を付けている。また、言葉の不足を補う為に、旅行中だけ写真を撮ってみようと思う。

食卓にまったく同じ急須が並んでいた。どちらも口が欠けていた。一つは持ち手が黒いテープで補修されていた。同じ店で買ったのだろう。

針の穴

苦労も好きでしていれば、楽しい。
今日はどうした、明日はどうするという文章を、趣向を凝らして書くより、沈黙に耳を澄ませていて、でも日記のことを考えている。自分というものは字に写し取る事が可能なのだろうか。あまり厳密過ぎても字はつまらない。つまらないけれど、厳密にすると、今日を後悔なく終れる気がする。
書けた。今日はいい一日だったということが、一生涯の確定だ。