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人間になればよかった...
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頭が重たくて顔があがらない。デタラメに限界値まで働いている。命令違反して休んでいると、頭が痛くなる。命令の声のきつさは自分の意志とは思えない。三本指は転換期を迎えている。早く仕事を進めないと。意地をはって日記を続けている場合ではないのだろうか。もう見せたい自分もいない。自分の外側が死んでしまったみたいだ。
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設問33 そこから逃げ出したいのなら、そこから逃げるための言葉を探しなさい。
東京の自宅に戻る。植木鉢の乾いた土に水をかけて、年賀状を娘と一枚一枚眺めた。相棒宛の沢山の仕事相手と、私宛の数少ない知人で構成された葉書の束だ。手が止まる。闘病中の御主人を看病しているお母さん友達のTさんからだ。彼女は事実を隠していた、私と彼女自身の為に事実をずっと言わなかったのだ。苦い味が口に溜まってきた。会いに行かなくては、と何度も考える。何度も考えているうちに、彼女が私に打ち明けたことの意味が重くのしかかってきた。
日常の時間が貴重なひとしずくだと実感する。究極のところ、いつでも失われるものの上で眠っているに過ぎない。
夜、帰宅した相棒と久しぶりに再会。挨拶もそこそこに、二人で仕事の話をする。原稿書きの手伝いを頼まれた。最低一ヶ月はかかるだろう。バレエやジョギングは出来なくなるかも知れないけれど、この日記だけは継続したい。
S先生のバレエを習いにI駅へ。今年は踊ってばかりで暮れていく。楽しいから、練習しに行くという気がしない。いつの間にか着いている。
今日は一人、新しい生徒さんが来ていた。S先生の指導も基本を丁寧に伝える感じで、難しい動作はあまりなかった。普段以上に神経を集中していると、身体の弱点ばかりが感じられる。筋力、関節の柔らかさ、まだまだ足りないようだ。日本女性の美徳に反して、バレエは、強い。そうして、速い。優しいだけではバレエにならない。
10分だけ先生と悪魔の靴も練習した。大事に履いてきた靴が少しゆるんできた。最後には先が潰れるか底が曲がるかして、立てなくなる宿命で、そうなると替え時だ。下手な奴が体重にまかせて乗るから、早く潰れる道理なのだった。上手な踊り手は、靴を履かないでもつま先で立てる……ぐらいに気合いを入れて、自分の上半身で引っ張り上げて立っているのだった。
帰り道、バレエで発散されて、くたくたなのが気持ちいい。空も随分高く見える。全てが自然で、物事の途中にいるんだと思える。靴と仲良くなれる日は来るだろうか。
娘を学校に送り出した後、クッキーを沢山焼いた。いつもなら厚いの薄いのが出来ても気にしないのだが、今日は均等に、焼き色も綺麗につけようと、慎重に焼く。作品、と言いたくなる良い仕上がりになった。半分を娘のおやつに残しておいた。
お昼にB先生のお宅に着くと、数人の生徒さんが先に来てオードブルなどを並べていた。稽古場で踊る姿しか知らなかったが、集まった方々の料理の腕前はただ事ではない。皆が座席に揃ったあと、塩釜で巨大な鯛を蒸したものや、シャンパンビネガーで味付けしたクレソンと柿のサラダなどを食べた。塩釜なんて個人のお宅で見たのは初めてだ。塩の塊を包丁の峰で割ると、香草の詰まった鯛が顔をだした。レストランかと思ったよ。
飛び交う会話の内容は、自分の生活圏と大分違っている。住む街が同じでも、暮らしに接点はない。決して互いの圏を踏み越えてはいけないと思って、聞く方に回った。悪意もないのに、好意を空回りさせてしまうのは厭だった。
クッキーは連れてこられた小さな子供さん達に人気だった。よかった。時計を見上げると娘の帰宅時間をとっくに過ぎている。先生に御礼を言ってお宅をあとにした。ドアをあけると、家の鍵を自分であけて待っていた娘が半泣きで飛びついてきた。取り置いたクッキーを棚から出して、平謝りした。
昨日に引き続き、天気良好。口をあけてお日さまを受けとりたい気分だ。私の前世があるとしたなら、やっぱりその辺の草なんだろう。
朝に離婚相談のお母さん友達と連絡をとる。電話内容はよくなかった。一時間近く話を聞いた。励ます事しかする気はないから、この先もやることは決まっている。今回の場合に限って言えば、相手は元気が出て電話を切った。
お昼の時間はゆっくりと経っていく。休みってありがたいなあと思いながら休んでいる。自分が置いていくのか、置いていかれるのかよく判らない。よわった身体を伸ばして、なるべく何もせず静かにして過ごす。体調がゆっくりと回復して、ガソリンが溜まっていく感じがする。
私は当たり前の希いを持っている。私は十全に生きたい。時間を無駄にせずに使い切りたい。日記だから書けるあまりに個人的な希いである。ガソリンがいつでも満タンで、どう動かしても故障のない身体が有ったなら、自分はなにをやってみただろうか。この世界で何を希望したのだろうか。
庭の草たちは、実に何事もなかったかのように元通りに育っている。運動する気分にようやくなって、作業着に着替えながら、力が出てきた。夕暮れの涼しい時間帯をねらって、草を刈る。
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