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人間になればよかった...
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銀色の棺が二つ、並んで隣の火葬場まで機械で運ばれていく。
後に続いて、喪服の集団がついていく。山の真ん中に作られた斎場は緑のなだらかな丘が延々と続いて、空が随分と広く見えている。
故人のお二人を知らないなりに、頭を垂れて悲しみを感じ取ろうと思っているのだが、ここのお家の流儀が独特で、自分には感情が渇いているように見えるのだった。涙涙の葬式とは全く違っている。喪服を着て、葬列に参加している自分も、何か人工の空の下にいるようだ。色々な家があり、色々な弔いがあるのだとつくづく感じた。
今回の喪主をしている50歳を越えた息子さんが、現実感を伴わないのか、明るく歩いていた。
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頭の中で、バレエのピアノ曲が繰り返し流れている。テレビの音も。やることが沢山あって、玉突き事故のように不具合が積み重なっていくと、時々こうなる。普段は好きでも嫌いでもない曲だ。脳の回路ってどうなっているのかな。
相棒が夜に店屋物を取ってくれた。今夜は休んで、明日頑張ろう。
娘は、クラスメートとの関係で、悩んでいたのだった。今日は明るく学校に出かけていった。
茨城の義母から電話があり、親戚の方が立て続けに二人も亡くなったと言う。痰をからませた事故で叔父さんが亡くなり、奥さんは葬式の準備をしていて、玄関でいきなり倒れたそうだ。金曜日、お葬式に参加することになった。
Yちゃんと電車に乗って上野駅へ行った。ルーブル美術館企画展を観に行くつもりが、会場に入るまで80分待ちだと言われた。行列のすさまじさを上回る熱意がなかったから、あっさり諦めて、適当な喫茶店を探した。Yちゃんは自分の生い立ちを話した。それは悲しい思い出だった。頭上から誰かが見ている気がした。私達のテーブルの上にはお茶が二つとポットがのっていた。Yちゃんの周りが少し明るくなっているようで、Y子をよろしく頼みます、とその方は私に頭を下げていた。霊感などはないから、これは私の夢らしかった。
バイト二回目。とても楽しく、とても怖ろしい。
昼過ぎに電車に乗って、M荷谷駅へ行く。相棒と脚本家のMくんが組んだ『結び目(仮)』の編集ラッシュを観せてもらった。編集はほぼ最終段階だそうだ。映画の作り手が口が裂けても言ってはいけないのが予算の愚痴だ。それは重々承知の上で、やはり楽屋裏を聞くと耳を疑わずにはいられない。あり得ない報酬で、これだけの仕事をしてのけた相棒とスタッフの方達に心から敬意を表したい。
夕方、東京。九才の娘、心が乱れている。眠る前には私の指を掴んで離さない。今夜などは、大人になりたくないと言って泣いた。なりたくないと言っても歳はとるよ、いつか一人になる日が来るんだと答えたら、余計に泣いた。
子どものままでいた方が得だ、と思っているふしがある。茨城では優しくされて威張っているから尚更かも知れない。四年生になったってつまんない、勉強はいっぱいしないといけないし、面白くないもん、と言う。そして、反応がいちいち漫画やアニメに似ている。人生のお手本が明らかに虚構の方だ。相棒に相談すると、自分がこの歳の頃は早く大人になりたいと思っていた、と言う。私自身もそうだった記憶がある。娘は何かの境目にいて、怖じ気づいてしまったのだろうか。
際限なく甘える娘を相棒に任せて、握ってくる指を外して部屋を離れたら、手足をむちゃくちゃに動かして、幼稚園児のように暴れ出した。
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