夕方、東京。九才の娘、心が乱れている。眠る前には私の指を掴んで離さない。今夜などは、大人になりたくないと言って泣いた。なりたくないと言っても歳はとるよ、いつか一人になる日が来るんだと答えたら、余計に泣いた。
子どものままでいた方が得だ、と思っているふしがある。茨城では優しくされて威張っているから尚更かも知れない。四年生になったってつまんない、勉強はいっぱいしないといけないし、面白くないもん、と言う。そして、反応がいちいち漫画やアニメに似ている。人生のお手本が明らかに虚構の方だ。相棒に相談すると、自分がこの歳の頃は早く大人になりたいと思っていた、と言う。私自身もそうだった記憶がある。娘は何かの境目にいて、怖じ気づいてしまったのだろうか。
際限なく甘える娘を相棒に任せて、握ってくる指を外して部屋を離れたら、手足をむちゃくちゃに動かして、幼稚園児のように暴れ出した。
子どものままでいた方が得だ、と思っているふしがある。茨城では優しくされて威張っているから尚更かも知れない。四年生になったってつまんない、勉強はいっぱいしないといけないし、面白くないもん、と言う。そして、反応がいちいち漫画やアニメに似ている。人生のお手本が明らかに虚構の方だ。相棒に相談すると、自分がこの歳の頃は早く大人になりたいと思っていた、と言う。私自身もそうだった記憶がある。娘は何かの境目にいて、怖じ気づいてしまったのだろうか。
際限なく甘える娘を相棒に任せて、握ってくる指を外して部屋を離れたら、手足をむちゃくちゃに動かして、幼稚園児のように暴れ出した。