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人間になればよかった...
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恩を受けたまま、二度と会う事のない人達のことを思い出す。今、思い出したところで手遅れだけど、ただ憶えているだけの恩返しだ。
不思議と、少し気力が回復する。出来なかった洗濯のつづきをする。
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水曜も来てみる?と聞かれてバイト五回目。朝から大雨、自転車をこぐ。初期投資で買ったレインコートでは腰から下が全部ずぶ濡れになって、駄目だこれ。
今日もレジ業務、立っていると周囲がひどく焦げくさかった。この店では電子レンジでの温めはセルフサービスなのだけど、深夜、ここで冷凍のピザを焼こうとした方がいたらしい。火災報知器が鳴り出し、店内は騒然となったそうだ。お客さんは黒焦げにした商品の弁償を店に求めたそうで、いい度胸してるよね、と先輩が肩をすくめてレンジを掃除していた。
なんとなくこの店の日常が見えてきた。困ったお客さんは頻繁に現れるものらしい。帰り際、店長が私のタイムカードを作ってくれ、しっかりやってね、という感じで、押し方を教えてくれた。
体が重たくて、体重は逆に2キロほど痩せた。ショック療法は効果絶大だなと思いながら、早朝に起きて娘のお弁当を作る。社会見学の日で、リュックをしょって娘は元気に学校へ走っていった。暮らしの歯車は回り続ける。新しい事が始まった以上、このテンポに慣れなくてはいけない。あと少し、慣れるまでの辛抱だ。
バイト、四回目。今日はほとんど俺とあざらしさんだけだから、と店長が言う。レジを一人でやってね、今までのは介護期間だから、と薄く笑って、頑張って下さいと放りだされた。何度となく新人店員を育ててきただろう店長の経験で、このやり方が最も近道だと判断しているのだろう。3時間くらい、涙目になって一人でレジを担当した。
接客業務は、人間が怖い、という自分の心の凹凸部分に、紙やすりをかける作業にも似て、大勢の見知らぬ方の手に釣り銭を渡す度に、頭を深く下げる度に、まるく、小さい心になっていく気がする。悪い人にも、頭を下げる。
家に帰ったら、立ち上がれないくらい疲れて、しばらく伏せていた。
まず、本を読む。
次に、本を読む。
人生の最後の日にだって、本を読む。
土曜日。茨城の庭は、草がぼうぼうぼうぼうに生えて草薮になっていた。一体何をどうしたらここまで丈夫に育つのか、彼らは集団で風にそよいでいる。草刈り機をフル稼働させて、午前中はずっと草達と格闘していた。
義母が二週間以上見守っていた野鳥の卵は、先週の月曜か火曜のどちらかの日に孵ったらしく、目を離した隙に親子ごと姿を消していたそうだ。ひなを見せたかったのに、と義母は悔しがったが、たった二日でいなくなるなんて、さすが野鳥だと私は思った。あの場所には薄青い卵の殻が三つほどあって、奇麗に割れていた。蛇に食べられた訳ではなさそうだから、近所の池にでも歩いて移動したのだろうか。
きっと賢くはない鳥の親子が、無事に生涯を全う出来るよう、寝床だった場所の草を刈りながら願わずにはいられなかった。
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