バイト、四回目。今日はほとんど俺とあざらしさんだけだから、と店長が言う。レジを一人でやってね、今までのは介護期間だから、と薄く笑って、頑張って下さいと放りだされた。何度となく新人店員を育ててきただろう店長の経験で、このやり方が最も近道だと判断しているのだろう。3時間くらい、涙目になって一人でレジを担当した。
接客業務は、人間が怖い、という自分の心の凹凸部分に、紙やすりをかける作業にも似て、大勢の見知らぬ方の手に釣り銭を渡す度に、頭を深く下げる度に、まるく、小さい心になっていく気がする。悪い人にも、頭を下げる。
家に帰ったら、立ち上がれないくらい疲れて、しばらく伏せていた。
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