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人間になればよかった...
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朝から携帯電話を見るともなしに見ていた。時間の風はそよとも吹かない。お母さん友達は、もう何も連絡を送ってくる筈もなかった。
悪い関係は悪いなりにぎりぎりのバランスをとっている。私がしたことは、あの人達のバランスを転覆させたに違いない。
夕刻、宅急便で母から便りが届く。娘と二人分の飛行機代も同封されていた。この夏は娘を連れて実家に帰省するのだった。……帰りを指折り数えて待っています。私やあんたも含め、病気やケガ等、色々なことが身の回りで起こってきますね。お互いに生活を少しずつ改善し、他人の為に役立てるようになりたいものだと、(あなたはいつもやっているか…)つくづく考えている所です。云々。
机に手紙を開いたまま、御礼に実家へ電話をかける。声の母は手紙の母と並べると違う人みたいだといつも思う。甘えてみたくなり、打ち明けたくなって、体調不良の事を相談すると、帰ってこなくていいよと言われた。早く病院にかかって専門家の治療を受けなさい。あんたは何事も深刻に重たく考えすぎるから。
夜、娘とカレーライスを食べ、唐辛子が気管に入ってひどくむせる。
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台風は通り過ぎた後に人に好かれる。柔らかな水のような雨上がりの空の色だ。空の透明度はたとえようもない。
自分の希いを知るだけでも無数の段階があって、ひとつひとつ順を追ってみるしかない。そうでも思わなければ、私は単純に、迷う目標の為のみに迷っている。
不吉なものが去った安堵感にほっとして、小沼お母さんと娘と三人で、近場の百貨店に小旅行に出かける。売り場で夢中になって子供服を見ていると、地震。しばらくしてからテレビ売り場に人だかりが出来ていて、真面目なテロップが流れ、新潟と長野では震度6強だった事を知る。
似たような地域でまた地震だ。夕方に東京に戻り、ニュースをつけると犠牲者の数が増えていた。なんだか気の毒で胸がふさぐ。あの時手にしていた子供服は結局買っていて、箪笥にしまいながら、どうして、こんな風に酷い出来事には継ぎ目がないのかと思う。
夜、お母さん友達から、離婚についての深刻な報せを受け取る。この湧いてくる無力感はどうだろう。君はおせっかいさん。他人に出来る事なんてそう沢山ないのだよ。そうだろうか、あざらし?
今回の台風は「雨台風」で、暴風の方はそれほどでもなく雨ばかり滴を飛ばしてくる。テレビをつけると、台風はすでにバラバラに分解しながら、海の辺りを突き進んでいるらしかった。
日記を書いた後、ほっと安心して、眠り込んで、丸一日過ごした。私はひたすら眠って、何一つ願いも持たないで、ただ降参して、眠っていた。
目がさめると、予想外の幾つもの良い変化が、立て続けに起きていた。放っておいたままのある人からの誤解が、結び目をほどくように突然、解かれた。それから別の人から予想外の和解の言葉をもらった。タイミングを合わせたように、立て続けに。
長年解決しなかった問題が、一瞬で終わった。あまりに唐突で、なにか、眠っている間に世界がぐにゃりと変化したみたいだ。
私があきらめた時、世界の方では必ず、解答を打ち消すような、謎かけともとれる出来事を用意するのだ。何か無限に謎を用意するのが世界の仕事だと言わんばかりに。
わたしは心底まいっている。化けものとの追いかけっこの夢を延々と見続けて、起きたら酷い胃痛になっていた。バカだなあと思う。自分で自分の健康を壊して、観念ばかりして暮らしているからだ。書きながら吐いている。戻ってきてからまた書いている。夜は明けて白くなってきた。たいへん寂しい。生きていることが皆こんなに寂しいことなのか、わたしには判らない。世界に穴など開かないのである。少なくとも、わたしは方向を知らないのである。
小沼お母さんとじろりじろりと互いを監視し合う冷たい夕食を食べたから。役員で集団で仕事することになって、内心は心配でたまらなかったから。涙を流してみて何になるだろう。空は薄水色に明けて、木々の影が真黒に立っている。わたしはもう充分に試みに失敗している。このような空の一体どこに出口があるのだろうか。
書き始めてから随分時間が経った。言葉を捜してももう出てこなかった。早朝五時だ。胃痛はやわらいでいた。あとで後悔したとしても、これを14日の日記として、このまま書いて終わろう。消えるばかりの心である。次に頁を立ち上げた時は、この心も消えて跡形もないだろう。
台風が沖縄辺りに上陸中。どこでもドアで茨城に来たら、脈打つように頭痛が始まった。雨はまだ小降り。動けない。痛いよ。日記ピンチ。すっかり遅い時間になったけど、毎日更新なので、よくない文章でも書けるところまで書いてみる。
小学校でPTA活動をした一日。まだあまり顔を知らないお母さん達と仲良くピラを四つ折りにしたり、封筒の数を数えたりする。学校に配布するニュース新聞を作る仕事である。昔と違って子供の数が少ないので、活動だけが残って、実態とずれている。お母さん達がやたらに仕事ばかりする羽目になって、子供とはあまり関係ない作業が多い気がする。
でも知らない人と一緒に話などしていると、沢山の能力を隠した女性が結構まざっていて、すごく楽しい。世間では色々な人が暮らしている。人知れず明るく暮らしている人達がいる。とてもいい刺激をもらう。
私は宿命的に、集団の仲間に優しく受け入れてもらう甘い夢を棄てられなくて、長いこと苦しんできた。願いが強過ぎるから、集団が集団であるというそれだけの理由で、何処かすぐに立ち去りたくなるのである。最近は、妖怪人間であることを相手に隠さず、三本指の爪も剥き出しだが、苦しみは大分減ってきた。歳をとってきたのかも知れない。
疲労が抜けずに半日を布団で過ごした。今日は曇り空にかすかな細かい雨が降っている。以前は重苦しい曇天の空を見ると気分がいいなと思っていた時期があった。その時期の自分の写真の顔は見たくない。空の青は心の色の投影機のようだ。哀しい時には哀しく、明るい時には明るく見える。それだけのことなのかも知れない。
娘に傘を届けに小学校に行く。校庭には誰もいなかった。授業中の校舎も何故だかしんとして寂しい。学校から通達のあったトマトの苗の持ち帰りをふと思いたつ。娘の育てたミニトマトの鉢は子供では持てない重さに成長して、保護者が持ち帰るよう指導されている。鉢は水分を含んで重たい。抱きかかえると、娘の身体よりずっと軽かった。
不安定な今日の明るさだ。どこか遠くへ旅をしている途中なんだと思ってみる。雲の上を歩いているようだ。季節は自分達の上をどこまでも過ぎていく。わたしの上にも雨がふってくる。娘の上にも。おぬまさんの上にも。
傘。傘。傘。
てくてくと。
心は、何処に向かって行くのだろう。
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