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人間になればよかった...
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土曜日、茨城。朝に起きると庭で義母が枯葉を焼いていた。外に出て、一緒に霜のついた葉をかき集めながら、燃えあがる炎を眺めた。煙が霧のように視界をさえぎって真白に漂っている。煙の奥にいる義母は小さく見えた。
昼、芋が焼けた頃、親戚の女の子が遊びに来た。この子と娘との雑談を聞いていると、なんとなく面白かった。「あのね、わたしの友だちの○ちゃんのおじいちゃんが、交通事故おこしちゃったんだって」「へー、死んだの?」「ううん、生きてるの。それでね、○ちゃんも車に乗ってたんだって。それでね、はじめて救急車に乗ったんだって」「へー」「でね、わたしね、どんな感じなの?って聞いたの。そしたら、なんて言ったと思う?」「なんて言ったの?」「あのね、すっごく、きれいだったんだって」
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イメージを食べるための文章を、良い文章だと長い間信じ込んでいた。美味しそうに見えて、箸をつけると美味しくなかったというのが、自分自身を差す言葉であるように思う。本当の字の世界というものが、すでにあり、自分はまだそこに到るような力を持っていないのだ。本当の字はとても遠いし、近付く方法も結局、個人の試行錯誤でしかなく、私が今日はいいとか、今日は駄目だとか、思っているような方法では、全然駄目だったということだ。
仕事進まず、どうしてもまとまった時間を作ることが出来ない。進んだふりをして、パソコンの前で眠っていた。うつら、うつらと一時間経ち、首が痛くなった頃、今夜はもう寝ようと諦めがついた。最初から寝ておけば良かった。
疲れすぎていて、夢と現実の区別が判らなくなってしまう。一生懸命考えるほど、ダメになって、投げ出したくなる。
自分の中に他人はいないのかも知れない。だけど他人への興味はある。しかし興味の範囲を出ないのだろう。お前が何に悩んでいるのか、オレにはわからん。と先日、某友人が私に言ったが、きっと私には悩みはないのだった。私はその人の声や手の甲の動きや、喋り方の癖などを聞いていた。いつかお前の文章を読んで、死ね、と思ったと友人は言った。私は、意味は判らなくても、声を聞いていることは出来て、何年か何十年か経ってから、判る日が来るかな、と思った。
冷たいみぞれ降る。買物に出かけると、人の吐く息が真白だった。スーパーの路上に出ていた野菜には新聞紙がかけられていた。
相棒に新しい書き仕事を任された。またしばらく心霊ホラーの世界に浸る毎日になりそうだ。我が家のマンションには、長い髪の女性霊がうろついているそうで、霊感の強い友人は来る度に気持ち悪がっている。私はその話を聞いて、始めはまさかと思ったが、中庭を通過している時に、がさりという音と共に、一部だけ異様に陰っているのを見たことがある。
翌朝まで深酒をした。友人の皆は真暗で寒そうな明け方に帰って行った。三時間後にバイト先へ向かわなくてはいけなくて、寝ないことにして、酒の残った体でシャワーに入り身支度を調えた。何度も洗面台に手をついて、ダメかな、と呟きながら、人生って楽しいな、という気持ちが沸いた。酒精のせいか、友人達のせいだったかは判らない。肉体の辛さは自業自得だった。
その後の事は覚えていない。釣り銭間違いと、店で倒れることの二つだけは厳禁と呟きながら自転車をこいでいた事と、店内のレジ前の菓子棚で、ビスケットの絵が描かれている積まれた菓子の箱の配列、その二つだけが鮮明に頭に残っている。多分、無事に終わったのだ。家では優しい家族と布団の眠りが待っていた。
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