茨城にいると、本当に家族以外とは誰とも話をしなくなる。庭の草があれば、眺めて暮すから不自由はないのだが、滞在が続くと独り言が多くなる。娘と家の周囲をぐるぐる、十周走ることにした。普段走る習慣は全くないので、正月から命を落とすのも恥ずかしいと思い、スピードはうんと遅く、競争しないと決めた。走り出してみると意外に気持良い。ランナーズハイのせいか、二人同時に笑いだした。隣で娘が狂ったように笑っている。よく判らない運動の風景だ。自分の体はバレエで培った筋力と肺活量がまるで釣り合っていなかった。足は走りたがり、肺は止めたがる奇妙な走り心地だ。娘は笑いすぎて五週もいかないうちに、歩きでいいよね、と言ってトコトコ歩いた。根性ないなと思う。さまにならない。茨城の天候が良い時はなるべく走るようにしよう。毎日少しずつ良くなるように。
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