夏も折り返し地点を過ぎた。あとはゆっくりと遠ざかっていくらしい。
娘が夏休みの宿題で「ひとこと日記」をつけている。一日たった一行の日記を書けば済むのだけれど、面倒くさがって何日もため込むから、案の定困っている。今思い出してるの、今考えてるの、ママのせいで書けなくなっちゃったもん、などと人にだだこねて文句ばかり言っている。10分経過して、ぐずぐず言い続ける娘の太ももをぴしゃりと叩いた。娘は、ぐずぐずぐずぐず泣き出した。おぬまお母さんは黙って私を見ている。私は短気だ。短気な母親だ。窓から一筋の風が吹いた。私は、娘の空白の日を見た。毎日三本指をつけているから、なにがあったかを思い出せる。
12日は東京から茨城に来た日だ。夜御飯はファミレスで外食して、娘は大喜びだったが、私は疲労で何も食べたくなかった。毎日更新の甲斐もなく、歩みは遅々としていると嘆いた日だ。その日の出来事を事細かに再現して、娘に話してみた。娘は泣き止むと、考える目になった。おもいだした、と独り言を言って、小さな字でせっせと書き出した。
『今日は、ココスで、ふぉーとゆう、食べものを、食べました。おいしかったです。』
三本指がはじめて娘の役にたった。私は日記を続けて良かったと思った。窓から涼しい風がさーっと部屋に入ってきた。そのあと、ざあっと音をたてて恵みの雨が降ってきた。
娘が夏休みの宿題で「ひとこと日記」をつけている。一日たった一行の日記を書けば済むのだけれど、面倒くさがって何日もため込むから、案の定困っている。今思い出してるの、今考えてるの、ママのせいで書けなくなっちゃったもん、などと人にだだこねて文句ばかり言っている。10分経過して、ぐずぐず言い続ける娘の太ももをぴしゃりと叩いた。娘は、ぐずぐずぐずぐず泣き出した。おぬまお母さんは黙って私を見ている。私は短気だ。短気な母親だ。窓から一筋の風が吹いた。私は、娘の空白の日を見た。毎日三本指をつけているから、なにがあったかを思い出せる。
12日は東京から茨城に来た日だ。夜御飯はファミレスで外食して、娘は大喜びだったが、私は疲労で何も食べたくなかった。毎日更新の甲斐もなく、歩みは遅々としていると嘆いた日だ。その日の出来事を事細かに再現して、娘に話してみた。娘は泣き止むと、考える目になった。おもいだした、と独り言を言って、小さな字でせっせと書き出した。
『今日は、ココスで、ふぉーとゆう、食べものを、食べました。おいしかったです。』
三本指がはじめて娘の役にたった。私は日記を続けて良かったと思った。窓から涼しい風がさーっと部屋に入ってきた。そのあと、ざあっと音をたてて恵みの雨が降ってきた。
PR