父の誕生日。今日届くように日本酒を贈ったら、母から御礼の電話が来た。母に電話をかけろ、と言いつつ、自分で話す気はない父の横顔が受話器の向こうに感じられる。波風が立たないよう早々に切った。自分はまだ完全には寂しさをぬぐえないからだ。父の伏し目が私の最初の出発点だったように思う。私は私の事情で生きている。父には来年もお酒を贈ろう。
水曜、ストレッチ。B先生の手順を覚えてきたので、考えなくても次の動作に入れるようになった。まだ完全には出来ないけれど、身体の芯があたたまる感覚が気持いい。
力を入れて生きればいいのか、力を抜いて生きればいいのか、迷いは次第に深まっている。越えるとは具体的に、その事について具体的に考えていくという作業である。自分の方法で。瑣事でいいのだ、この瑣事は私の人生の全てなのだから。買い物袋にねぎをぶら下げて、ぼうっとして歩く。マンションの階段を一歩ずつ上がる。上り階段の先に待っているのは回帰なんだと思ってみる。自分の外に出られる訳じゃない。自分が来た場所を探しに、らせんを上っていく。本来の力を出す、というのは不思議な言葉だと思う。
水曜、ストレッチ。B先生の手順を覚えてきたので、考えなくても次の動作に入れるようになった。まだ完全には出来ないけれど、身体の芯があたたまる感覚が気持いい。
力を入れて生きればいいのか、力を抜いて生きればいいのか、迷いは次第に深まっている。越えるとは具体的に、その事について具体的に考えていくという作業である。自分の方法で。瑣事でいいのだ、この瑣事は私の人生の全てなのだから。買い物袋にねぎをぶら下げて、ぼうっとして歩く。マンションの階段を一歩ずつ上がる。上り階段の先に待っているのは回帰なんだと思ってみる。自分の外に出られる訳じゃない。自分が来た場所を探しに、らせんを上っていく。本来の力を出す、というのは不思議な言葉だと思う。
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