寝不足にはどうしても勝てない。私は時々脚本の仕事をして家計を助けているのだが、朝起きると主婦の気分、深夜になると仕事気分、などどいう器用な暮らしはとうとう実現しないということが判った。日常生活は高度な虚構だ。物を書く意思は原始人への退行だから、主婦の仕事は原人では出来ず、物を書く仕事はきちんとした暮らしと反発するといった具合で、どうにもやるせない。
物を書く時は、どうして世間の目などを気にしていられようか。真っ暗闇の映画館に一人で座っていて、目の前には巨大な白いスクリーン。さあ、まだ誰も見たことのない映画を今から二時間、最初から最後まであなた一人で夢想しなさい、と言われているようなものだ。どうしたらいいか。脚本を書くというのは、そういう作業なのだと思う。そしてそれは、昼の明るい時間と共存するには、相当へんてこな力だ。
物を書く時は、どうして世間の目などを気にしていられようか。真っ暗闇の映画館に一人で座っていて、目の前には巨大な白いスクリーン。さあ、まだ誰も見たことのない映画を今から二時間、最初から最後まであなた一人で夢想しなさい、と言われているようなものだ。どうしたらいいか。脚本を書くというのは、そういう作業なのだと思う。そしてそれは、昼の明るい時間と共存するには、相当へんてこな力だ。
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