上野駅の人混み、結構みんな背中丸まっている。パン屋さんで明日の朝に食べる食パンを買う。娘は甘いパンやチキンに目を奪われて、買ってくれとせがむ。レジの女性の早口と機械的な笑顔に、制服のネームの名字に、なんとなく心惹かれる。どうやっても解りはしないのだ、ここでこの人達を知って、明日のパンを食べる意味も。見続けなければならないのだ、お仕舞いまで判らないのがはっきりしていても。
通行している人の顔を見ることは殆どない。首から上を見ることはしない。娘は次の電車が来たと、パンの袋を振り回して走っていく。階段の下で犬顔の電車が待っている。周りの何人かの人の足も、走りだした。
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