土曜日、茨城。車を運転して義父のお墓参りに出かけた。義母と娘は後部座席で窓をあけて、涼しいねー、と言っている。義父の墓は全体を見渡す少し高い丘になっていて、空も緑もとてもよく見える場所にある。亡くなって十年の区切りだ。記憶のベットの白いシーツと雲の色がよく似ていた。死んだ人の心は、生きている人の心をお見通しなのだろうか。子供の時から、お墓の前に立つ度に考える。薄緑の墓石を、娘が嬉々としてタオルで拭いている。じいちゃんよろんでるわ、と義母が言う。お父さん変な嫁ですいません。そんな風に思ってみる。お父さんすいません。ごめんなさい。いつもごめんなさい。
手を合わせて、お父さんに近況の報告をした。
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