忍者ブログ
人間になればよかった...
[7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

バイト先で、今日は6本もサツマイモを焼いた。
帰り道にパンクした自転車を押して、1時間近く空想しながら歩いた。家の近所にある自転車屋さんに向かうと、無数の車輪の隙間から、せっせとオレンジ色の自転車を直している男性の顔が見えた。その人はぞんざいに立ち上がって、今忙しいので、あとで電話しますんで、と言ったが、その言葉には何の嘘もなく、愛想笑いなど一切しないのが、逆に気持良いくらいだった。電話番号を渡して帰ってきたが、接客というのは、笑えばいいというものではないな、人柄なんだと思った。コンビニで働く時、あんまり笑いすぎるのは止そう、と思った。それよりは、レジを通す速さや正確さや、店内の挨拶に集中しよう、と家に向かう途中の道で、晴れやかな気持になった。
3時間後に電話があり、安い料金できっちりと直ってきた。
PR
何でそんな話になったのか知らないが、10歳の娘が私達夫婦が死んだあとの葬式の話をするのだった。その時は子供でも喪主をやらないといけないの、と、娘は不安と笑顔とをまぜこぜにして、私に聞くのだった。そして、さらに空想が広がったのか、私が死んだら、クラスのみんなはどんな顔をするかなあ、と、言うのだった。早く寝ろ、と布団を引っ張って、彼女の口元を隠したが、彼女は布団の中から、おかーさんが死んだ時は、一緒に何を燃やしてほしいか言って、ねえ本当に教えて、と、もごもご聞くのだった。
さあ、なんだろう、サツマイモでも入れておいて、と娘に言って背中を向けると、娘は、イモかい!と憤慨して、駄目だよイモなんか、と真面目に言うのだった。
早朝、裏の湖の周辺で、誰かが鉄砲を撃っている音がする。カモでも狙っているのだろうと思うが、見に行ったことはない。義母は、流れ弾に当たらないよう、朝は外に出ない方がいい、といつも同じ口調で言うのだった。空気がぬるくなる頃、また静かになった。

家の前の道を運転していたら、尾の長い、キジらしき鳥がトコトコと歩いていた。首の辺りが青色に光っていた。
N町駅の親しい友人からメールがあり、元気で暮しているようだ。くだけた会話の返信を打ちながら、人助けなんて、おそろしい賭けをしたものだと、昔の自分たちのやりとりを思い出しながら、思うのだった。もし彼女が立ち直れなくて、他人の私を退けたり、絶望して霧の道を渡り、二度と戻らなかったとしたなら、私自身だって、酷い人間不信の道に堕ちたに違いないのだ。
文面からは楽しそうな日常の様子が伺えた。
バレエの稽古では、変人の自分も許されている気がする。夢見る夢子ちゃん、と棘のある声が胸のなかでうるさく鳴っているのだが、バレエの真面目さは、そういう惨めな時間を追い払ってくれる。別段、悪意を発揮した覚えもないのだが、在りようだけでも誰かの敵になることはある訳で、そのような場合、視界に入らないよう、なるべく離れるのが配慮のつもりで、ずさーっと後ずさるのだけど、ひとたび悪に認定されれば、なにをやっても、どう振る舞っても、相手は苛立ちをつのらせるばかり、しかしそれは不機嫌ということで、相手も理由を言わないものだから、なんだ、私の顔かたち、あるいは声の語尾の出しようか、ぬりかべのような背中か、いったい何が、気に障るのか、つまりは存在するなというか。
皆、口に出さないだけだ、もうひとつの世界のことを。それならそれで、もうひとつの世界では、書いたり、踊ったり、お喋りすることは、許されようか。
毎日更新の文章なんか、どう好きに書いても良さそうなものだと思うのだけど、その日にはただ一つの形があるような気がして、探していたら、結局は感じ方のどこかが怪我しているようなものになってしまう。今夜は眠る。もうこれ以上やったら、暮らしていく自信がなくなってしまう。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新記事
(02/27)
(02/26)
(02/25)
(02/24)
(02/23)
(02/22)
プロフィール
HN:
北海のあざらし
HP:
性別:
女性
ブログ内検索
カウンター
携帯用
アクセス解析
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © 三本指日記 All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]