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人間になればよかった...
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今日は娘の遠足、朝早く起きてお弁当を作る。慣れている人なら20分位で出来るそうだけど、自分は手が遅いのでいつも1時間近くかかる。その代わり、ひどく真面目な弁当が出来る。いったん海苔弁にしてから上に白ごはんで蓋をして、ただのごはんに見せる引っかけをする。蓋をあけて楽しく見えるよう、国旗の旗など飾る。味の相性の良いおかずを詰める。お弁当箱が空っぽになって帰ってくるかどうか、娘が戻るまで一日中なんとなく楽しみになる。蓋を開けて完全に空だった時は、ただ弁当箱ひとつの事であるのに、よかったといつまでも喜びが消えず、親としてささやかな自信がつく気がする。
夜、自宅によき来客あり。夫婦共通の友人Mくんが相棒を訪ねてくる。景気の悪い話を色々教えてもらって、楽しく過ごした。
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掃除しながら布団干し、乾かしながらストレッチ教室、伸びながらお弁当のおかずを考え、買い物に行きながら知り合いの保護者と挨拶。小学校に行って子どもと集団下校、家で宿題を見ながらお洗濯、干しながら遊びに来た娘のお友達におやつを出して、皿を片付けながら明日の遠足の準備。時間と時間を重ねて使うと、なにかとよく進むけれど、自分が今何をしていたのか全く判らなくなる。夜は友達のNさんに招待されて、お宅でピザをご馳走になった。Nさんについ野菜の話ばかりしてしまう。はっと立ち止まると、飛ぶように一日、終わっている。時間は砂のように消えたけれど、ふわふわの布団が残っている。これだけで、頑張った甲斐があったというものだ。
連休最後の日。茨城から東京に戻る際に、一握りずつ庭の野菜をいただいていくことにする。三つ葉、茎みょうが、ニラ、朝に自生した蕗も鎌で刈りとる。切り口から水がぴゅっと跳ねて、美味しそうだと思う。全て東京に持ち帰ることにする。下茹でして皮をむき、義母の冷蔵庫にも半分置いていく。先日茹でた筍も一本もらった。
帰宅ラッシュに混じって東京に戻る。大変さの連続に思えた連休も、終わってみれば穏かだ。座る席がないのでデッキに立っていると、他にも席のない人たちが同じように押し黙って立っている。景色だけが前から後へ流れる。皆、目をつぶっている。子どもがしゃがんで、父親と今何時?と聞いている。その横のお兄さんは、身を固くして窓を見ている。我が娘はカートに腰掛けて漫画を読んでいる。電車は走っているようで、実は静止している気もする。頭がぎゅうと詰まった感じがする。目をつむって、野菜のことを考える。
茨城、四日目。ひそかな暮し。先日買った野菜苗を植えるよう義母に頼まれたので、深い穴を10個以上スコップで掘る。石灰や専用の土を両手で混ぜて、丁寧に苗を並べる。牛糞と鶏ふんの混合肥料も、いつのまにか扱うのが平気になった。昔は袋をさわっただけで、手を洗いに行ったものだが。
このあたりでは道を歩いているお年寄りの中に、腰を90度近く曲げている方が時折混じっていて、ほんとうに、見るとびっくりする。あれは農作業での働き過ぎからそうなるのだという。あんな風に歳を重ねてきた人の前では、自分の忍耐など到底及ばないなという感じがする。
涼しい日。庭の草たちは成長して、しっかりと根を張っている。お昼から草刈り機で庭掃除をすることにした。ピンク色に染められた混合油をタンクに注いで、紐を強く引いてエンジンをかける。しばらく使わない時は腕が痛くなるほど繰り返し紐をひく羽目になる。頻繁に使っていれば、一発で気持よくエンジンがかかる。草刈り機は大変壊れやすい機械らしく、古くなった燃料を使ったり、埃をつけたまま使うことをすると、すぐ駄目になってしまうそうだ。勇ましい見た目の割には、虚弱体質なんだなと思ってしまう。
スギナのような柔らかい草が平らな地面に生えている場所は刈りやすく、小石が敷き詰められた場所では顔や目に跳ねてすごく痛い。好きな場所と嫌いな場所を行き来しながら、二時間以上やっていた。エンジンを切ると急に辺りがしんとした気がした。それから、年寄りのように縁台に腰かけて、長い時間ぼーっと座っていた。
午前中は小雨、午後は暑いくらいの晴天。普段通る道の両脇にある田んぼには、いよいよ稲が植えられるらしく、緑の絨毯のような稲の子供が隅に積まれている。黄金色に実るまで、通るたびに気にかけて眺めてしまう。稲の成長が教える四季の移り変わりは絶妙で、カレンダーをそのまま画に置き換えたよう、こんなに奇麗な時間表が他にあるだろうかと思うほどだ。
小沼邱にも小さな家庭菜園の場所があり、土は力に乏しいがそれなりに作物を実らせてくれる。夕方のさっぱりした空気の中、娘と義母を車に乗せて近所の農家専門の苗屋さんに行く。巨大なビニールハウス内に敷き詰められた野菜苗を見て歩き、きゅうり、茄子、トマトなど十数本を選んだ。素人の自分でも眺めていると面白く、真っ黒いトマトや、そうめん状にバラバラになる南瓜など、説明文を読みながら義母と首をかしげる。もっと実力が上がったら、これらの不思議な野菜にも挑戦してみたいものだ。
帰り道、田んぼ付近を通ると、見知らぬ人の田植えは無事に終わっていて、薄暗がりの中で行儀よく稲が並んでいた。
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