ひとりで昼に出発し、どこでもドアで茨城へ。ただいま、というか一昨日までいたから、野菜や雑草の伸び具合も変化なし。
夕方、おばさんの自宅で親戚だけのささやかな通夜がある。部屋は二間しかない。玄関が狭いので、窓を入口代りにして行き来している。ほとんどお会いしたことのないおばさんだから、何の予備知識もないまま部屋を眺める。茶褐色の壁。古いカレンダー。やぶれた障子。二台あるテレビは一台が壊れたまま並べてある。折り紙で作ったボールや、チラシで織ったツルなどがぶら下がっている。
おばさんは長年一人暮らしで、倒れて半年ほど病院で生きてから亡くなったが、部屋は倒れた時のままになっていた。この通夜の為に親戚総出で掃除をしたら、手仕事の作品がゴミ袋いっぱい山のように出てきたという。全部燃やして処分したそうだ。
親戚の人達の会話は内容があまりよく判らない。じっと正座する。座っていると月が出そうな位置に、信号機の光が見えている。この家は道路のすぐ側だ。開け放した窓から信号の月がよく見える。どういう暮しだったのだろう。一人きりで何十年も。おばさんもここから信号を幾度となく見たに違いない。
帰り際、列に並んで自分も線香をあげる。私はお辞儀がいかにも下手だ。せめて気持を入れて拝んだ。おばさんの遺影は若い頃のものだった。
夕方、おばさんの自宅で親戚だけのささやかな通夜がある。部屋は二間しかない。玄関が狭いので、窓を入口代りにして行き来している。ほとんどお会いしたことのないおばさんだから、何の予備知識もないまま部屋を眺める。茶褐色の壁。古いカレンダー。やぶれた障子。二台あるテレビは一台が壊れたまま並べてある。折り紙で作ったボールや、チラシで織ったツルなどがぶら下がっている。
おばさんは長年一人暮らしで、倒れて半年ほど病院で生きてから亡くなったが、部屋は倒れた時のままになっていた。この通夜の為に親戚総出で掃除をしたら、手仕事の作品がゴミ袋いっぱい山のように出てきたという。全部燃やして処分したそうだ。
親戚の人達の会話は内容があまりよく判らない。じっと正座する。座っていると月が出そうな位置に、信号機の光が見えている。この家は道路のすぐ側だ。開け放した窓から信号の月がよく見える。どういう暮しだったのだろう。一人きりで何十年も。おばさんもここから信号を幾度となく見たに違いない。
帰り際、列に並んで自分も線香をあげる。私はお辞儀がいかにも下手だ。せめて気持を入れて拝んだ。おばさんの遺影は若い頃のものだった。
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