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人間になればよかった...
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昨日、学生の一人から青いライターをもらった。学校で煙草を吸っていたのは単なるはったりで、吸わなくても禁断症状はなかったのだけど、コミュニケーションツールとしては役に立っていた。今日は家を掃除したあとに煙草を吸ってみた。なんだか元気が出た。
快晴の中、歩いて近所のストレッチ教室に行く。今日は教室の生徒さんが10人位来ていて、小さなフロアが満員になっていた。お天気良いから、身体を動かしたくなる日は重なるんですかねえー、とB先生はにこやかに言う。きっとお金持ちなんだろうなあ、と思う方が何人も来ていた。話題、言葉使い、バレエに求めること、同じ惑星に住む人間でこうも違うものだろうか。それとも相手をよく知らない事から来る偏見だろうか。相手の方達は、ただ立っているだけの私が何故だか気になったらしく、二、三言、言葉をかけられた。スカートの柄とか、出身地とか。気配をふっ、と消すと、自分は壁に化けた。こんな変人に関わっても仕方ないと思ってくれたのか、それ以降はもう何も言わなかった。
踊りは幾ら夢を見ても怒られないのが嬉しい。手のひらに綺麗な花を咲かせるように、上に向けた。夢とは思えない、もうひとつの世界。
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今日は多分、最後の映画学校の仕事。朝に学生と連絡をとって、電車を乗り継いでS駅へ向かった。
直しに直しを重ねた脚本は、元の脚本の残骸、願い、先生方のアドバイス、複数の学生の修正、等が、スパゲティのように絡み合っている。学生と話し合い、提出時間の1時まで彼らと脚本の直しをする。思えば短い付き合いで、随分と色々な話をしたものだと思う。〆切時間を過ぎて3時になり、4時になる。タイムリミットが来て、欠陥だらけのシナリオは完成稿扱いとなった。
講師の休憩室で刷り終るのを待っていると、他の知り合いの講師の方達が雑談している。あざらし、お前T先生の手伝いしてんだってな。お前んとこの脚本俺も読んだけど、まだまだ準備稿だよな。永久に終わんないだろ。あんな作業やってたら。初めての映画なんだから、脚本を学生に任せるのが、土台無理だよな。
教室に戻ると、学生達が刷り上がった脚本をせっせと製本していた。初めての映画なのだから、土台無理は大前提ではないだろうか。どうしてそう学生を見くびるのだろう。自分は、単純に、学生だった時の記憶を、まだ残しているのだった。自分は学生の時に冒した無数の過ちをいまだ覚えていた。……
T先生が、酒を買ってこい。みんなで酒盛りだ。と言う。教室はたちまちアルコールの匂いで充満した。紙コップに三杯飲んだだけで、天地がさかさになった。T先生は、意気消沈している自分にごつごつした手でお酒をついでくれた。先生と出来る最後のお仕事。
帰りに、脚本チームのみんなと握手して別れた。
自分で思っていたより、更新を途切れたことがきつかった。考えれば、書けなくなっていく。パソコンの起動音だけが静かに鳴っている。気持の糸が切れないように、立て直して、指を動かしてみる。10月に入って、一日一日を、変に真面目な気持で暮らしていた。日記をつけていると、毎日を無為に過ごす事が出来なくなっている。周囲のものが、ゆるやかに、しかも取り返しのつかない形に、変化して、そのまま行き過ぎるのだと思うと、当たり前だと信じているものが、当たり前なのが不思議な気がする。
何かを書いてみても、一向に書き出せないと言う日はあるものだ。学生の事をとやかく言えない。自分だって簡単に書けなくなってしまうのだ。どんなに拙くても構わないから、自分の言葉に責任をとること。凡作でもいいから、恐れずに進むこと。ベストを尽くすこと。自分が先日、学生にえらそうに言った台詞。
栃木の温泉観光地にて、山深すぎて携帯にアンテナ立たず、人に借りた携帯ではブログに書き込みが出来ない事を知らずに、日記をついに落としてしまった。書いたけれど、もう仕方なかった。ただ自分が好きで続けていた毎日更新が、一度位駄目になったところで、やる気がなくなるとしたら、それまでの事なのだと思う。
昨夜は部屋の者が寝静まったあと、旅館の窓をあけて一人で外を見ていた。紅葉が始まる直前の明るい黄色の林に、冬を思わせる厳しい冷気がすでに漂い始めている。12時の針が過ぎた。わたしはこの日記を書く白紙の場所が好きらしい。世界のどこにいても、わたしはこの場所に立ち返る。自分一人分の小さな円座。
今日の朝は、日光の観光名所を渡り歩いて、猿軍団の演劇など見た後、夜遅くになって娘と帰宅した。今はとにかく眠くて船をこいでいる。FAXとともに、学生から原稿が送られてきた。東京はとにかく忙しい。明日には元通りに復活したい。
朝6時に起きて、娘の肩をぐらぐら揺らす。約束通り宿題をさせた。昨夜遅く帰宅したら、ランドセルは足元に転がったままで、娘は宿題を一つもやっていなかった。
……寝ぐせ頭の娘が、薄暗い部屋で机に向かっている。生活は先手必勝で、時間を先まわりしてやりくりしないと、収拾がつかなくなると思う。娘は7時に終わらせると、これからまた学校かあー、とため息をついていた。
娘を送りだした後、ぼうっとしながら部屋を掃除する。考え事ばかりしている。本当の瞬間は1分くらいしかなくて、あとは膨大な待ち時間なのかも知れない。今日は待ち時間の日だった。こういう日をどのように過ごすかで差が出るのだろうか。お昼、眠くて目をこすっていたら、おぬまさんが、思い切って寝たらと言う。じゃあ30分だけと言いながら、3時間くらい布団で眠った。
エネルギーが溜まって、身体が楽になった。夕方、茨城へ行く仕度をしていると、学生から新しい脚本が送られてきた。原稿を鞄に放り込んで、娘と上野駅に向かう。どこでもドア……で、茨城のI市へ向かう。電車の中で原稿を読み、うーんと爪を噛んだ。また相談しなければならない。
1時間後、茨城の小沼邱に到着。おぬまお母さんにえひめAIを見せると、微妙な表情をして、よさそうだね、と言った。明日は栃木の日光に行く予定。
バレエ教室で午前中を過ごす。ストレッチに行くようになってから関節の可動域が広がったらしく、楽に身体が動くようになってきた。膝の裏と膝の裏をくっつけて立つ、という難しい基本のポーズに少しでも近付きたいと思う。悪魔の堅い靴を履いて、つま先立ちで横移動の練習をすると、コツコツコツ、といい感じで歩く事が出来た。
お昼にT先生に電話する。脚本は……大クラッシュだ。T先生は最初の脚本からやり直せと言う。毎年恒例とはいえ、今年も大変な事になってしまった。悪魔の堅い靴を鞄に入れたまま電車に揺られて、S駅の日本映画学校へ着いた。階段を登りながら、自分の心臓がおかしな動悸を打っている。身が持たないと思い、きつさに一人笑う。
学生を励ました後、T先生、担任のH先生と相談した。心臓はずっとおかしな音をたてていた。今日この為にバンジーしたらしい。私はほとんど何かを信じている。実績もないくせに、尊敬するT先生に思い切り意見を言った。
お二人とも判って下さった。学生達はまた書き直しの作業に入った。帰りの電車で、頭痛で泣きたくなってくる。講師の仕事はすばらしい。若い人達の炎に触る事が出来るから。講師の仕事は最低だ。先生先生、と毎日囲まれたら、自分が価値ある人間だと勘違いする。
わたしはわたしから自由になりたい。
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