少し肌寒い日。遠出して娘と一時間半電車に乗る。試験の時には絶対落ちたと言って泣きべそをかいていた従妹のMちゃんが、今日はスーツ姿で入学式だった。上京イコール貧乏暮らしという連想は古いらしく、Mちゃんの部屋は綺麗でセキュリティも万全、スタートから東京している。お茶と一緒に出されたお菓子は、北海道のなつかしい銘菓だったけれど。
Mちゃんの顔に寂しさはあまりない。東京中で沢山の人が新しい暮らしを始めているのだろう。電車の複雑な路線図を見上げ、大気の汚れに健康への不安を感じ、標準語の流暢な響きに驚かされて。Mちゃんの喜びが東京の街に吸い込まれていく。娘と手をつないで帰りながら、いつか娘を送り出す日の無限の遠さに、すこしほっとする。
Mちゃんの顔に寂しさはあまりない。東京中で沢山の人が新しい暮らしを始めているのだろう。電車の複雑な路線図を見上げ、大気の汚れに健康への不安を感じ、標準語の流暢な響きに驚かされて。Mちゃんの喜びが東京の街に吸い込まれていく。娘と手をつないで帰りながら、いつか娘を送り出す日の無限の遠さに、すこしほっとする。
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