お盆の最終日。この夏でも一番のうだるような暑さ。義父の墓参りに行ったあと、先日亡くなった金歯のおばさんの家に軽自動車で出かけた。蛇のようにうねる細道は、それでも昔の県道だそうで、リヤカーや馬で行き来していた時は充分な広さだったらしい。運転しながら、すれ違う対向車に何度となく心臓を縮める。
お家は物凄く古くて、玄関は土間だ。昔は囲炉裏を囲んで食事したとのこと、歴史の浅い北海道で育った自分には、ただ座っているだけで珍しい。一人残されたおじさんは83歳、息子さん夫婦が今は来ているけれど、四十九日の後は料理洗濯を自分でするという。ぽつりぽつりと、おばさんの話をする。「病気には、勝てねえ。」「死ぬ前は、よく眠るっていうけんども、本当だな。」おじさんは痩せているが、シャツの下からのぞく二の腕は筋肉で盛り上がリ、長年の畑仕事で鍛えられていた。夫婦で二人三脚して続けてきた畑仕事も、今年は控えたという。扇風機の音だけが、部屋の空気を充たしていた。
お家は物凄く古くて、玄関は土間だ。昔は囲炉裏を囲んで食事したとのこと、歴史の浅い北海道で育った自分には、ただ座っているだけで珍しい。一人残されたおじさんは83歳、息子さん夫婦が今は来ているけれど、四十九日の後は料理洗濯を自分でするという。ぽつりぽつりと、おばさんの話をする。「病気には、勝てねえ。」「死ぬ前は、よく眠るっていうけんども、本当だな。」おじさんは痩せているが、シャツの下からのぞく二の腕は筋肉で盛り上がリ、長年の畑仕事で鍛えられていた。夫婦で二人三脚して続けてきた畑仕事も、今年は控えたという。扇風機の音だけが、部屋の空気を充たしていた。
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