壊れて不便だったオーブンレンジを買い替える事になり、近所の巨大ショッピングモールに軽自動車で出かけた。家電売り場でずらりと並ぶレンジの値段を見比べる。色々な機能があるものだ。義母はどれも似たようなもんだっぺ、と言いつつ、どれがいいのか判らなくなってしまって、あざらしさんはどれがいい、と何度となく探るように聞く。私は家電の好みにうるさく、価格、デザイン、優先機能、義母の願いとは折り合わないと知っているので、このコーナー辺りはよさそうですね、と曖昧な返事をする。これどうだっぺ。これは便利だわ。などと候補が決まりかけると、娘があれがいい、これがいいと言う。もう何がなんだか判らなくなって、義母は売り場の店員に、これとこれはどう違うんでしょうねえ、と聞く。店員さんも優柔不断で、これはふたの開き方が違います、などと言う。もうこの売り場に泊まるしかないか、と思いはじめた矢先、義母は突然、裁判を結審させるように、目の前の一台を指さして、これに決まり、ときっぱり言った。
そんな訳で、今夜はごく普通のレンジで、グラタンを作って食べた。
そんな訳で、今夜はごく普通のレンジで、グラタンを作って食べた。
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