まじめなヤツが一生懸命フルーツを育てていると、いいかげんなヤツが横から来てむしゃむしゃ食っていく。世の中はかくも哀しい。実にうまく回っている。世界にとって大切なことは、まじめなヤツがフルーツを育て続け、いい加減なヤツがフルーツのうまさを語り、お天気はただ黙々と輝き続けることにある。
今日は娘の終業式と、地域子ども会の集まりがあった。子ども会とは災害があった時の為に作られているチーム活動だ。年に一回だけ遊びの会を開催する。顔を合わせたのは今日で三回目だった。
集まった子供達は水鉄砲でお互いを撃ち合い、笑いあい、走り回っていた。お母さん達に混じって後ろから見ていたあざらしは、ペットボトルの水を飲みながら、おそらくは薄笑いなど浮かべて、何をすることもなく立っていた。
世界にとって肝心な点は、まじめなヤツが食い気など持たず、横から食われてもけっして怒らず、否、事実そのものに気付かないことにある。
子供の流れ弾が、ひたいに当たった。
冷たく、清涼な一撃。
私の暗いフルーツの空想はその瞬間に飛散し、代わりに子供達の甲高い笑い声がこだました。3秒の幸福。そして溢れ出した後、また何事もなかったように、埃っぽい日常音がかえってきた。
子供達の撃ち合いはどこまでも続いた。
今日は娘の終業式と、地域子ども会の集まりがあった。子ども会とは災害があった時の為に作られているチーム活動だ。年に一回だけ遊びの会を開催する。顔を合わせたのは今日で三回目だった。
集まった子供達は水鉄砲でお互いを撃ち合い、笑いあい、走り回っていた。お母さん達に混じって後ろから見ていたあざらしは、ペットボトルの水を飲みながら、おそらくは薄笑いなど浮かべて、何をすることもなく立っていた。
世界にとって肝心な点は、まじめなヤツが食い気など持たず、横から食われてもけっして怒らず、否、事実そのものに気付かないことにある。
子供の流れ弾が、ひたいに当たった。
冷たく、清涼な一撃。
私の暗いフルーツの空想はその瞬間に飛散し、代わりに子供達の甲高い笑い声がこだました。3秒の幸福。そして溢れ出した後、また何事もなかったように、埃っぽい日常音がかえってきた。
子供達の撃ち合いはどこまでも続いた。
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