茨城で農作業の一日を過ごす。青梅がちょうど頃合いで、夕方に棒でつつき落とすことにした。低い位置は娘が担当、高い位置は私。二人同時に長い棒で縦横無尽につつき回すと、雨あられのように梅が落ちてきた。梅がぽたぽたと義母の背中に当たって、祖母は子供のように頭を隠して、梅は草陰に転げていった。
棒の届かないところには、大きな実がのんきについている。脚立を押えてもらって一番上まで命がけで登ると、家の屋根が見える。駐車場が見える。松の木の上側が見える。首を傾けて天を見ると、空にまるい玉のようなシルエットが枝に交互についている。いくら棒を伸ばしても、届かなかった。
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