数着しかない真面目な服を着て、放課後の小学校へ行く。娘のクラスの個人面談日で、担任の副校長先生と話をした。怖そうな人だと思っていたけれど、至って真面目な、静かな方だった。クラスの状況は、改善されてはいるものの、まだ『力で押さえる』ところがあります、と言う説明だった。さすがに、副校長先生相手に暴れる子どもはいないようだ。当たり障りのない会話をしながら、学校というのは、やっぱりどうしても、陰険なものが地下に潜る、という気がした。子供の人格だとか、個性だとか、仲間だとかを重要視するのであれば、それに伴う陰険さと一緒に暮らす具体的な術も、子どもに教えた方がいいのではないかという気がした。少なくとも、高学年の頃、自分は、そういう技術を切実に先生に教えてもらいたかった。だけど、このいいようのない気持を、口にしたら誤解されるだけなのは、経験上知っているので、お母さん友達には言わないことにしている。
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