茨城から東京へ。夕方に支度を調えて、数着しかない真面目な服に着替えた。恩師を囲む忘年会に参加するため、電車を乗り継いで、旅を重ねた。もう何年も行っていなかったので、パソコンで調べた地図も役に立たなかった。同期のMくんに拾って貰って、なんとか小さな宴会場に着いた。皆さんは沢山集まっていて、ざわめきでいっぱいだった。恩師に、きちんと脚本を続けている姿を見て貰いたかったのだが、ただのへんてこな女になって、肝心の字はもう書けないし、この先何をして暮らせばいいのかな、と、無性に悲しかった。一つの目標だった人も、もう遠すぎて、目標と呼ばせて貰うこともかなわなくなっていた。恩師のぽやぽやとした白髪頭を、遠巻きに眺めている3時間だった。
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