バレエでは足先を床にすりつけるので、ピンク色の布靴を履く。白や黒のも売っているけれど、ピンクが主流だ。皮製もある。この靴は滅多に洗わない。洗うと縮んだりよれたりして、あまり良くないようだ。そのくせ丈夫なので、何年でも履ける。地味な稽古で、同じ基本の動作をこつこつと繰り返している。そんなに優雅な時間でもないと思うことがある。何十、何百回と足をすりつけて、毎レッスンのたびにやる。足先の描く軌跡は個人で少しずつ違うらしく、そこを通るとその人だけの美しさが発揮される道があるらしい。足を出すたびに位置が違っているようでは駄目で、同じ軌跡を正確に辿れるように、足に覚えさせなければならない。何回やっても、S先生に指導を受ける。何度でも何度でも、根気よく欠点を直していく事しか上達の道はないようだ。
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