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人間になればよかった...
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この自然児のような故郷から離れる事は出来ても、憎む事は出来ない。そうするしか道はなかったと思うのに、見つかるのは愛の証拠ばかりだ。
父がどこかに電話していたと思ったら、巨大なダンボールがいきなり届く。箱を開けるとぎっしり花火だ。問屋さんから直接注文したと言って、父は得意げに中身を見ている。昔から極端なことが大好きなのだ。こんな量を個人で取り寄せる人は普通いないと思う。身内で集まって花火大会をすることになる。姉夫婦と弟夫婦、子供を合わせて総勢10人、それに父母と娘と私で14人。この人数でさえ、とても使い切れる量ではない。全員庭に出る。子供達はみな手持ち花火に惜しげもなく火をつける。男達が次から次ぎへと花火を打ち上げて、拍手喝采だ。火はあらぬ方向へと飛んでいく。私はこの印象を、とうとう言葉にする事が出来ない。この故郷が、私の根を構成していると判るだけなのだ。
煙でもうもうとした庭から帰ってくると、家には花火があと半分も残っていた。
明日は以前死んだ下の弟の法事がある。黒い服の用意をして、布団に入り、少しだけ本の続きを読む。
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