雨ばかり降っている。眺めているうちに、狂暴なスピードで周囲の時間が流れていく。ここにいる、という事だけが私の事実だから、なにかをせずにはいられないのだ。
幸福や不幸のために、すり減る。毎日、毎日、日めくりのカレンダーのような愛らしい顔つきで、時がすり減っていく。驚くほど優しいものと、耐えることの不可能な恐ろしいものとが、両者、混合して、わたしとは無関係に競い合っている。わたしとは灰色のことだ。白い白紙に、目鼻をつける。への字に下がった唇を赤く塗る。丸く塗っただけの、かろうじての顔。
おそらくは、人の苦痛だけが、面白い。
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