裏の畑では、野菜が少しずつ育ってきた。きゅうり。なす。じゃがいも。この夏はあまり野菜を買わなくても済みそうだ。
午前中ずっと庭に出て、2時13分の特急電車で東京に向かう。同じ車両。同じ立ち位置。何事もなければ、来週もこの場所に立っている筈だ。心に触れたものがあまりない時、時間は急に飴のようにぐにゃりと伸びていく。生きるエネルギーが急激に減少するあの感じ。
こういう日は生きていれば、生きている事が習慣になる。膨大な世間の霞みの片隅で、自分が空っぽと思える日が。
私は考えを変えたくなる。自分は、庭のなすやきゅうりと同じ生き物だと思ってみる。疑わず、おそれず、最後の収穫まで素直に育つのだ。水や、光や、同じ因果で回る偶然で、……
夕方東京に戻ると、駅前ではぽつぽつと雨が降っていた。とにかく一生懸命やってみなければ、それがどこに向かうかなんて、やりながら判る訳もない。この暮らしだって安泰という訳じゃない。さあいこう。なんだか急に時計が早回しになるようで、時間感覚がねじれる。娘と急いで横断歩道を渡る。
午前中ずっと庭に出て、2時13分の特急電車で東京に向かう。同じ車両。同じ立ち位置。何事もなければ、来週もこの場所に立っている筈だ。心に触れたものがあまりない時、時間は急に飴のようにぐにゃりと伸びていく。生きるエネルギーが急激に減少するあの感じ。
こういう日は生きていれば、生きている事が習慣になる。膨大な世間の霞みの片隅で、自分が空っぽと思える日が。
私は考えを変えたくなる。自分は、庭のなすやきゅうりと同じ生き物だと思ってみる。疑わず、おそれず、最後の収穫まで素直に育つのだ。水や、光や、同じ因果で回る偶然で、……
夕方東京に戻ると、駅前ではぽつぽつと雨が降っていた。とにかく一生懸命やってみなければ、それがどこに向かうかなんて、やりながら判る訳もない。この暮らしだって安泰という訳じゃない。さあいこう。なんだか急に時計が早回しになるようで、時間感覚がねじれる。娘と急いで横断歩道を渡る。
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