発表会。娘は自分の番が来るとやってきて頭を下げ、ピアノを実に上手に弾いた。本人も夢中だったろうが、聴いているこっちも意識がなかった。
昼過ぎ、いつもと同じ時間にI駅を出発して上野に向かう。三連休のせいだろう、今日に限って座る座席がない。娘はカートの上に腰掛けて漫画を読んでいる。立ち乗りして窓を見ていると、黄土色の田んぼが延々と続いている。銀色のテープが光を反射していて、雀でもないのに眩しくて目をそらした。
誰かを頼りにすることと、もたれかかることは違う。結局は、自分が頼りになるかどうかでこの人生は決まってしまうのだろう。繰り返されない代わり、行き先も知らされない。せめて行きたい場所を決めておかなくてはと、上野の切符を格好良く握りしめると、二つに折れた。
自宅に着き、おぬまさんは仕事でいなかった。娘の宿題を手伝いながら、ピアノ会場で買ったまんじゅうを、夜ご飯代わりに食べた。食欲が少し戻ってきたけれど、まんじゅうは一つ残しておいた。
昼過ぎ、いつもと同じ時間にI駅を出発して上野に向かう。三連休のせいだろう、今日に限って座る座席がない。娘はカートの上に腰掛けて漫画を読んでいる。立ち乗りして窓を見ていると、黄土色の田んぼが延々と続いている。銀色のテープが光を反射していて、雀でもないのに眩しくて目をそらした。
誰かを頼りにすることと、もたれかかることは違う。結局は、自分が頼りになるかどうかでこの人生は決まってしまうのだろう。繰り返されない代わり、行き先も知らされない。せめて行きたい場所を決めておかなくてはと、上野の切符を格好良く握りしめると、二つに折れた。
自宅に着き、おぬまさんは仕事でいなかった。娘の宿題を手伝いながら、ピアノ会場で買ったまんじゅうを、夜ご飯代わりに食べた。食欲が少し戻ってきたけれど、まんじゅうは一つ残しておいた。
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