B先生のストレッチ教室がやっと開始日になり、自転車で嬉々として向かった。いつも利用する坂道も、春夏秋冬、季節によって表情が違う。上り坂を漕ぐ足の力がなくて、手で押して歩いていたら、以前同じ位置で見上げた空が、薄青い水のような光を一面に満たしている。この空を見ながら、過ぎた日を思い返したり、めそめそ泣いたり、にらみつけたり、実に色々なことをした。そんなことを思って見ても、今日の空は少しも秘密を明かさず、ここからあまりにも遠くに在るようで、見知らぬ人達のマンションの屋根も、一列に並んだ洗濯物の色も、綺麗なのだった。
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