朝、心臓に不快感、収まるまで胸に手を当てていたら、遠ざかってくれた。心臓が血を吸って膨れ、縮む、その感じをじっと味わっていると、まだまだ動きたい、と思って怖かった。喜びと悲しみが脈絡無く、いつまでも続いていくようで、強制的に断ち切られる事がなければ、どうしてこの世界と別れを告げられるだろう。
昨夜残ったケーキを朝ご飯にして、娘の手をひいて茨城へ出発した。また金木犀の香りがして、見回したけれど、道のどこに咲いているのか判らなかった。娘に何か大事なことを話しかけようとして、失語症のように言葉を忘れてしまった。
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