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今日は多分、最後の映画学校の仕事。朝に学生と連絡をとって、電車を乗り継いでS駅へ向かった。
直しに直しを重ねた脚本は、元の脚本の残骸、願い、先生方のアドバイス、複数の学生の修正、等が、スパゲティのように絡み合っている。学生と話し合い、提出時間の1時まで彼らと脚本の直しをする。思えば短い付き合いで、随分と色々な話をしたものだと思う。〆切時間を過ぎて3時になり、4時になる。タイムリミットが来て、欠陥だらけのシナリオは完成稿扱いとなった。
講師の休憩室で刷り終るのを待っていると、他の知り合いの講師の方達が雑談している。あざらし、お前T先生の手伝いしてんだってな。お前んとこの脚本俺も読んだけど、まだまだ準備稿だよな。永久に終わんないだろ。あんな作業やってたら。初めての映画なんだから、脚本を学生に任せるのが、土台無理だよな。
教室に戻ると、学生達が刷り上がった脚本をせっせと製本していた。初めての映画なのだから、土台無理は大前提ではないだろうか。どうしてそう学生を見くびるのだろう。自分は、単純に、学生だった時の記憶を、まだ残しているのだった。自分は学生の時に冒した無数の過ちをいまだ覚えていた。……
T先生が、酒を買ってこい。みんなで酒盛りだ。と言う。教室はたちまちアルコールの匂いで充満した。紙コップに三杯飲んだだけで、天地がさかさになった。T先生は、意気消沈している自分にごつごつした手でお酒をついでくれた。先生と出来る最後のお仕事。
帰りに、脚本チームのみんなと握手して別れた。
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