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人間になればよかった...
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今夜は、娘が眠れなくて暗闇を怖がっている。耳なし芳一の話なんか、してやるんじゃなかった。夏らしくていいと思ったのに、可哀想なことをしてしまった。日記は中断、娘を休ませる為、今日は簡単につける。
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家族と会話するだけの生活が続く。涼しい風と雲、草刈りをしていたらすぐ雨が降ってきた。閉じた生活をしていると、一点突破のように、この日記で風を通したくなる。だけど、この文章も日常の正確な延長線だ。
この家には誰も使用しない部屋があり、がらくた置き場になっている。つぶれた段ボールの中には、女の生首や切断された胴体が入っている。以前、相棒が何かの撮影時に使ったもので、茨城邱に何年も置かれているリアルな人体模型だ。義母は怖がってよりつかず、娘は埃を嫌って入ってこない。それで、生首を見ながら煙草を一本吸うのが、深夜の日記の習慣になっている。
今夜は、4本煙草を吸いに行った。生首の顔も眠そうだったので、部屋の電気を消した。
壊れて不便だったオーブンレンジを買い替える事になり、近所の巨大ショッピングモールに軽自動車で出かけた。家電売り場でずらりと並ぶレンジの値段を見比べる。色々な機能があるものだ。義母はどれも似たようなもんだっぺ、と言いつつ、どれがいいのか判らなくなってしまって、あざらしさんはどれがいい、と何度となく探るように聞く。私は家電の好みにうるさく、価格、デザイン、優先機能、義母の願いとは折り合わないと知っているので、このコーナー辺りはよさそうですね、と曖昧な返事をする。これどうだっぺ。これは便利だわ。などと候補が決まりかけると、娘があれがいい、これがいいと言う。もう何がなんだか判らなくなって、義母は売り場の店員に、これとこれはどう違うんでしょうねえ、と聞く。店員さんも優柔不断で、これはふたの開き方が違います、などと言う。もうこの売り場に泊まるしかないか、と思いはじめた矢先、義母は突然、裁判を結審させるように、目の前の一台を指さして、これに決まり、ときっぱり言った。
そんな訳で、今夜はごく普通のレンジで、グラタンを作って食べた。
お盆の最終日。この夏でも一番のうだるような暑さ。義父の墓参りに行ったあと、先日亡くなった金歯のおばさんの家に軽自動車で出かけた。蛇のようにうねる細道は、それでも昔の県道だそうで、リヤカーや馬で行き来していた時は充分な広さだったらしい。運転しながら、すれ違う対向車に何度となく心臓を縮める。
お家は物凄く古くて、玄関は土間だ。昔は囲炉裏を囲んで食事したとのこと、歴史の浅い北海道で育った自分には、ただ座っているだけで珍しい。一人残されたおじさんは83歳、息子さん夫婦が今は来ているけれど、四十九日の後は料理洗濯を自分でするという。ぽつりぽつりと、おばさんの話をする。「病気には、勝てねえ。」「死ぬ前は、よく眠るっていうけんども、本当だな。」おじさんは痩せているが、シャツの下からのぞく二の腕は筋肉で盛り上がリ、長年の畑仕事で鍛えられていた。夫婦で二人三脚して続けてきた畑仕事も、今年は控えたという。扇風機の音だけが、部屋の空気を充たしていた。
夜の10時近く、元の静けさに戻ったこたつの部屋で、今日一日の労を義母とお茶でねぎらった。この一行を書くのに一時間かかった、情けない、眠くて頭が夢ばかり見る。書き終わった瞬間、カンと冴えて不眠症みたいに眠れなくなる。一生懸命暮してみて、それでよしだった筈なのに、この悲しさはなんだろう。悲しむな。もし失敗したなら、おまえが悪い。さあ、寝よう。
妹さん一家が明日大阪に帰るので、恒例行事の夏のバーベキューが開かれた。12人分の材料の準備、セッティング、片付け、自分の役目を一生懸命働いた。頭の中が五回くらいパンクした。深夜、ついさっき全ての作業が終わった。今夜は日記を簡単につけて、とにかく眠ろう。
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