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人間になればよかった...
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色々なお客さんが来る。今日は年配の男性がブラリとやってきて、店長に煙草のtaspoの申込書を渡すと、これ俺のかわりに書いてくんねえか、と言う。こういうのよくわかんねえんだ。店長が相手をする。これね、写真と身分証明書のコピーが必要なんすよ。
写真撮りに行くとよう、700円もかかんだ、バカくせえな、と言って男性は私にニヤッとした。店長は追い返しもせず、カウンターに肘をついて応対している。夕方また来てもらえますかねー、暇な時間じゃないと無理っす。店長書くんだ!と内心驚いたが、男性はそれで納得したらしく、taspoの紙を置いて帰って行った。
たぶん、あの方は一人暮らしで、コンビニの店員は自分の家族みたいな位置づけになっているのだろう。
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隣町に住んでいる小沼弟さんが、子育て中の鳥の巣を偶然見つけたそうだ。位置的に関連はないけれど、そっちには雛がいるようだから行こうと義母が言う。それで、車の修理屋さんから借りた代車を運転して見に行った。
そこは林がすぐ側にあって、マンションの二階、ガスのメーターがある小さい鉄の扉の内側に、草のクッションがはみだしている。覗くと、濡れたような毛が生えた雛がいた。かわいいねえ、と娘は目を輝かせて、携帯で写真を撮ろうよ、と義母に言った。
二人が写真を撮っている間、暗い事実に思い至って、気が滅入ってきた。目の前の雛は親を待って眠っている。野鳥の子とはいえ、二日か三日で移動なんて出来る訳がないのだった。あの間抜けな親鳥は、きっと雛を何かの形で失ったに違いないのだ。ああ、間抜け、間抜けめ、間抜けなやつ。何という失態。
また卵を産むといいよ。今度こそ、誰の目も届かない安全な場所で。
茨城、義母の目撃談。先日庭先で卵を抱いていたのとそっくりな鳥が枝に止まっていたそうだ。鳩くらいの大きさで、変な鳥だったという。この周辺で子育てしているんでしょうか、と世間話をしながら私はにわかに嬉しくなった。あの親鳥なら、遠出を嫌ってなんとなく近場で済ませるような気がする。きっとそうに違いない。
すぐ靴を履いて外へと出てみたが、枝の他は何もいなかった。姿が見えなくても、声くらいは聞きたいものだ。
夜の特急電車から降りると、改札にいる筈の義母がいない。駅の駐車場へ向かうと、義母の車が故障して動かなくなっていた。ボンネットを開けると焦げくさく、義母は歳の割に車の知識には強いのだけど、ダメだわあざらしさん、ラジエーターじゃない、と、自分の知らない所の蓋など開けながら言った。携帯電話で修理屋さんを呼んだらしく、30分ほどで来てもらえるとのこと、義母は額にうすく汗をかいていた。
助けが到着するのを待ちながら、先月私のやらかした縁石での事故が、関係している可能性はある、とふと思い至った。いやしかし、でもそうだ、と、交互に思う心に、線路を電車が通過していく音が聞こえる。道の真ん中で止まらなかっただけまだ良かった、と義母は私に言う。私の額からも冷や汗が随分出てきた。
壊れた車は途中で変な赤ランプがついても、結構長く走っていたようだ。
朝起きると、一昨日異変を確認する為、力任せに殴った手足にあざが出来ていた。触ると痛くて、打撲だとぼんやりした頭で思う。よかった。痛覚が開通している。動かしてみると何事もない。
あれはいったい何だったのだろう。手帳通りのスケジュールに沿って行動しながら、何度となく腕をつねってみる。自分自身の健康問題ほど、考えて尽きない話題はないなと思う。自分の事にのみ思いを巡らせて、一日過ごせてしまう。
今日は怖ろしかった。鏡に映って歩いている事自体が、とてもありがたいことに思えた。どんな下手な考えであっても、ものを考えられる事はかけがえのない事だ。いつかは分離して、私は私の体から追放されてしまう だろう。今だけ許されていることだった。ものを考える、考えられるということは、考えの質ではなく、動作そのものに尊さがあるのだろう。
空は高く、木々の葉は黄緑色に輝いている。それを眺めると、感じがある。感覚が今日はある。
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