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人間になればよかった...
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夜、離婚の悩みを抱えたお母さん友達から電話をもらい、相談を受ける。励ました。もうそれしかしないことに決める。考えるより励ます。助言が間違っていたとしたら、間違いの責任なんかとれない。相談は自分の魂を消しゴムみたいにすり減らす。
この先誰に相談されようと、励ます。その代わり好きな相手しか相談は受けない。それ以外は拒絶する。そして誰に相談されても、励ます事しかやらない。他の事はしないと決めた。
行きつ戻りしながら何処かに向かっているのだろうか。行きつ戻りつ。パソコンを前にすっごく落ちこんでいる。行きつ戻りつ。明日考えよう。行きつ戻りつ。
電話を切って、日記リミットまで少しの時間になっていた。もう日記をつける時がない。明日まであと14分。
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本日、全国の小学校で始業式。子供ってえらいなと思う。ちんどん屋みたいに荷物を山ほどぶら下げて、娘のランドセルが元気よく遠ざかる。
昨日まで泳いでいた青い楽園の点である。点はそれぞれ自分の生活に忙しい。私は雑巾を絞る手に力をこめる。怪力でねじ切るみたいに。下から隙間を覗きこむ。隠れた埃を殺すみたいに。
お昼頃に小学校にて引き取り訓練。震災時や不審者事件を想定して、親が子供を迎えに行く訓練だ。銀色のとんがり防災頭巾をかぶった子供達がグランドに整列している図は圧巻だ。壇上の校長先生はヘルメットを被っている。真面目なのか不真面目なのか、他の先生達はメットなし。お母さん達は話を聞かず談笑している。久しぶりに会ったお母さん友達数人と、何故校長先生も銀色頭巾にしないのかについて意見交換する。
私は家仕事に没頭する。水を汲む。バケツを突き破るみたいに。
時計を見上げる。十時半。日記をつける事が完全に習慣になった生活に、黄色信号が静かに灯っている。頑張れへたくそ。心のランプついてるぞ。妖怪マンネリが姿を現した。三本指を突き出して威嚇する。この辺りが第二の危険地帯なのかも知れない。この日常を非日常化するか、日常にのまれるか、その瀬戸際なのだろう。
秋の入り口。暑いと涼しいの中間くらいの気温。気分的には夏の水着を箪笥に片付けたい気分だが、大きいバッグに三人分の水着とタオルを無理矢理詰めこんで出かける。電車を乗り継いで1時間後、S遊園地に到着。うわーい、お目当ての流れるプールだ。あまり嬉しくないが。
この天気で泳ぎに来るなんてさぞかし少数派だろうと思っていたら、意外にも中はかなりの盛況で、座る場所がない程カップルや家族連れで賑わっていた。様々な事情で時期外れと知りつつやってきた人達ばかりなのだろう。ぶるぶる震えながらプールで泳ぐ。おぬまさんはすいーとカッパのように泳いでいる。娘は犬かきをマスターしようと懸命だ。私は浮き輪に乗って歯の根をがちがち震わせながら、二人の背中を追いかけていった。
S遊園地は、閉鎖された施設が多い。膨大な数の椅子が死体のように幾重にも積まれたまま放置されている。時代遅れとなってしまった大型のアトラクションは、柱に錆がついてボロボロだった。異世界の建物を抜けて大観覧車に行く。チケットショップで格安で買った入場券の隅に、一枚だけ乗り物券がついていたからだ。
大きな円は音もなく昇っていく。無謀な夏のひと泳ぎだった。夏休みは今日で終わりだ。あまりに長い夏だった。去年していた娘との約束をなんとか無事済ませた訳だ。おぬまさんもほっとしている。海そっくりのプールが見えた。夕暮れで客は一人もいなくなっている。私達家族が泳いでいた時、ここから見ていた人もいたのだろうか。小さな、存在しないような無数の点のひとつとして。
ネットオークション現在進行中。〆切時間間際になって急に値段がつり上がってきて、あれよあれよと置いてけぼりにされている。負けた……。成程こういうものか。つまり意識せずに熱い闘いに巻き込まれていた訳なのだった。まだまだ値は上がりそうだが、もう無理。指をくわえて見守るだけにする。買えなくてもなんだかちょっと面白かった。
今日は九月、曇り空。娘の夏休みも残り少なくなったので、学校指定の上靴を買いにE駅の商店街まで歩いていった。業者の店までは片道20分の道のりで、靴もべらぼうに高く(なんでもない靴が2450円)保護者の間でも不評なのだが、小学校というのは結構理不尽な要求をしてくるものだ。
のんびりした風景を足にまかせて歩く。暑さも一区切りついて、秋の気配が近くまで来ている。野球の恰好をした男の子達が自転車にまたがって、自分の横をすり抜けていく。地図を逆さにしたり、横にしたりして目的地へ向かう。私は方向感覚というものがない。道路はどこまで行っても同じような場所に見える。鳥に生まれなくて良かったと思う。
訪ね歩いた洋品店は、錆びた看板にようやく名前が読める感じだった。実にさびしいゴールだ。真新しいシューズを履いて喜ぶ娘の顔が浮かんだ。置物みたいに座って半分眠っているおじさんが、薄目をあけてこちらを見た。
今日は家事の研究。レディースあざらしの日。
野菜を切る時は真直ぐ。茶碗を洗う時にも洗剤を無駄にせず。そういうことに時間を費やしていると、朝から昼、昼から夜と時間が流れていく。奥歯を噛みしめる暇がない。
目の前の手元を一生懸命見つめていると、いつの間にか心がよそ見している。自分の持ち時間は増えたり減ったり見失ったりする性質のものではなくて、心配しなくても全部使えるのだ、と思えてくる。一瞬一瞬、時を大切に暮らそうと頭では考える。実際にやってみると不可能だとすぐ判る。それは私が単純に、時の長さに耐えられないからだ。時は私にとって長すぎる。自分に耐えられる分の時だけを世界から拝借して、私は暮らしているに違いない。そんなことを、シチューを作りながら考えた。
今夜出来上がった料理は上手くいって、鍋は空になった。家族も喜んでくれた。部屋も綺麗に片付いた。良く出来たレディースディーだとほっとする。穏やかな気分でパソコンを立ち上げる。初めてネットオークションというものを見て、面白そうだと思い手を出してみた。ただの中古の黒い鞄なのだが、誘惑に負けて入札してしまったのだ。衝動買いまでレディースディー。気がざわざわする。明日の夜〆切だって。もしうっかり買えてしまったら、どうしたらいいだろう。
105
家族三人でA塚駅まで小旅行する。電車で10分。僅かな距離でも初めて行く街は、とても新鮮な気持になる。
目当てという程のこともないが、駅前に激安洋服ショップがあるというので、喜んで行ってみる。おぬまさんは何度か来ているらしい。撮影の時に衣装部さんが低予算で服を買う場所だそうだ。59円のシャツだの、30円の靴下だの、目が点になるような価格の服が山積みに売られている。前々から噂は聞いていたのだが、確かに安い。安い事は安いが、一回洗濯機にかけたらバラバラになりそうなものもある。国籍不明のデザインや、手にした瞬間後悔するような凄いフリル付きなど。毒、といったらいいのだろうか。ほんの少しの毒入りの服だ。毒入りの食品、洋服、雑貨、本、住宅、エトセトラ。自分が根からの田舎育ちなんだと自覚するのは、こういう商品群を見た時だ。
背景など気にせず楽しめばいいのだ。ああ、綺麗な色だな、と手にとったら、後ろに物凄い悪魔の目玉のイラストがついていた。
一時間ほどそこにいて、結局105円のキャミソールを2枚と、198円の子供スカートを買った。500円でお釣りがくるのが怖いような。家に着いてからスカートをはかせてみると、大変気持の良い服だった。どうしてこの値段がついていたのだろうか。娘は喜んでくるくる回った。
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