午前中、役員会に出席する為に小学校へ。ちくんと痒い。雨上がりのせいで、大量の蚊が校庭に発生している。子供達の可愛らしいすねにも嫌らしい口で穴をあけるのだろう。庭の池から幾らでも湧いてくる感じだ。
PTAで発行する学校新聞について打ち合わせをする。カラーページとモノクロで見開き4枚、運動会や文化祭などの記事を作成するとのこと。集まったお母さん達と、話しながら立ち上がり、蚊取り線香をたく。しばらくすると、部屋中が白っぽく煙ってきた。
新聞の作業そのものは創造的とは言い難い。毎年毎年、同じ内容の記事で紙面を作り、同じようなレイアウトで次の代に繋ぐ。個人情報保護の為、個人を特定出来る顔写真は一切NGだそうだ。摩訶不思議な作業だ、と、慣れていない自分は思う。子供を持つと色々な体験をする機会があるものだ。日本的な考え方の勉強は、PTA活動を学ぶことで深くなるのかも。
蚊取り線香を消して皆と別れた後、仕事の手順を頭で反芻する。それにしても、話してみて思うのは、主婦は主婦でも色々いるんだということだ。暇な主婦や、不満のかたまりみたいな主婦も数々いるが、でも大半は、素晴らしい笑顔の持ち主で、バランスがとれた、今の生活を楽しむ事を知っている人達なのだった。それは警戒されないように、礼儀を尽くして接近した上で、初めて見せてもらえる、日本に元々あった満ち足りた世界なんだと思う。
ただ問題は、あまりにも隠れやすい、均一な価値観を頼りに成り立っている平和、という点だろうか。
PTAで発行する学校新聞について打ち合わせをする。カラーページとモノクロで見開き4枚、運動会や文化祭などの記事を作成するとのこと。集まったお母さん達と、話しながら立ち上がり、蚊取り線香をたく。しばらくすると、部屋中が白っぽく煙ってきた。
新聞の作業そのものは創造的とは言い難い。毎年毎年、同じ内容の記事で紙面を作り、同じようなレイアウトで次の代に繋ぐ。個人情報保護の為、個人を特定出来る顔写真は一切NGだそうだ。摩訶不思議な作業だ、と、慣れていない自分は思う。子供を持つと色々な体験をする機会があるものだ。日本的な考え方の勉強は、PTA活動を学ぶことで深くなるのかも。
蚊取り線香を消して皆と別れた後、仕事の手順を頭で反芻する。それにしても、話してみて思うのは、主婦は主婦でも色々いるんだということだ。暇な主婦や、不満のかたまりみたいな主婦も数々いるが、でも大半は、素晴らしい笑顔の持ち主で、バランスがとれた、今の生活を楽しむ事を知っている人達なのだった。それは警戒されないように、礼儀を尽くして接近した上で、初めて見せてもらえる、日本に元々あった満ち足りた世界なんだと思う。
ただ問題は、あまりにも隠れやすい、均一な価値観を頼りに成り立っている平和、という点だろうか。
PR
慣れた手つきで茨城をあとにする。びゅんと、どこでもドアで東京に戻る。しまった。携帯電話を玄関に忘れてきちゃった。慌ててドアノブをがちゃがちゃ回すが、時すでに遅し。バイヤーのD氏から正規品を買うべきだった。来週の金曜に茨城に行くまで、携帯電話なしの生活だ。
携帯を無くしてみると、実に静かだ。反面、なんとなく落ち着かない。とても心配だ。携帯でしか連絡手段を知らない相手というのは意外に多いのだ、と初めて気がつく。それに、自分には緊急に電話をしてくる相手が二人いて、その人達にもし不測の事態が起きたらどうしよう。月、火、水、木、金。指折り数えて不安をつのらせる。五日間はとにかく神仏に祈って、相手の無事を祈って暮らすことにしよう。
夜、おぬまさんは原稿書きの仕事で苦しそう。気分転換に、娘と私と三人で近所の神社のお祭りを見に行く。人でごった返している中、鈴を鳴らしてお参りする。一番奥の高い場所に、丸い鏡のような御神体が少しだけ見えた。1円だの5円だの小銭だけを入れて、祈ることが沢山ありすぎては、などと余計なことを考えているうちに、なにも思い浮かばずにしまった。ただ無言で一礼して去る。祈りを一つに絞るなんて離れ業は、この先だって出来そうにない。
携帯を無くしてみると、実に静かだ。反面、なんとなく落ち着かない。とても心配だ。携帯でしか連絡手段を知らない相手というのは意外に多いのだ、と初めて気がつく。それに、自分には緊急に電話をしてくる相手が二人いて、その人達にもし不測の事態が起きたらどうしよう。月、火、水、木、金。指折り数えて不安をつのらせる。五日間はとにかく神仏に祈って、相手の無事を祈って暮らすことにしよう。
夜、おぬまさんは原稿書きの仕事で苦しそう。気分転換に、娘と私と三人で近所の神社のお祭りを見に行く。人でごった返している中、鈴を鳴らしてお参りする。一番奥の高い場所に、丸い鏡のような御神体が少しだけ見えた。1円だの5円だの小銭だけを入れて、祈ることが沢山ありすぎては、などと余計なことを考えているうちに、なにも思い浮かばずにしまった。ただ無言で一礼して去る。祈りを一つに絞るなんて離れ業は、この先だって出来そうにない。
茨城にて庭仕事をする一日。庭の草は元の通りに伸びて、元気よく風に揺られている。やはり情けは無用らしい。草は人間の意思よりずっと強い。
うだるような蒸し暑さ。台風は青空を掃除して行ってしまった。畑を点検すると駄目になった作物が幾つもある。死んでいった様々な生き物も目につく。育ちすぎたバッタに、乾いてしまったカタツムリ。何十匹も蟻が群がる仰向けの蜂は、ゆっくりと何処かに運ばれていく。
なにか寂しいけれど、あっけらかんとしている。蜂の無表情だ。人間の苦悶の表情とは随分違うものだと思う。
嬉しかった事もある。四年前に植えた柿の木に、20個近く実が生っているのに気がついた。次郎柿という名前でたいへん甘い柿だ。去年初めて9個の実をつけた時は大喜びだったのが、カラスにみな食べられてしまった。今年は網でもかけて、人間が食べられるようにしたいものだ。
家に入り、叔母さんのお葬式でお返しにいただいたお茶缶を箱から出して、娘と私とお母さんで、三人で仲良く飲んだ。
なにか、じりじりした胸の痛みを抑えて、一人でパソコンに向かう。窓外では鈴虫が鳴いている。今日の寂しさはどうしたことだろう。読むものがなくて、方丈記なんか読んだからだろうか。この世は無常みたいな気分。真黒い夜の窓を見ると、はりついて腹を動かしている蛙。
うだるような蒸し暑さ。台風は青空を掃除して行ってしまった。畑を点検すると駄目になった作物が幾つもある。死んでいった様々な生き物も目につく。育ちすぎたバッタに、乾いてしまったカタツムリ。何十匹も蟻が群がる仰向けの蜂は、ゆっくりと何処かに運ばれていく。
なにか寂しいけれど、あっけらかんとしている。蜂の無表情だ。人間の苦悶の表情とは随分違うものだと思う。
嬉しかった事もある。四年前に植えた柿の木に、20個近く実が生っているのに気がついた。次郎柿という名前でたいへん甘い柿だ。去年初めて9個の実をつけた時は大喜びだったのが、カラスにみな食べられてしまった。今年は網でもかけて、人間が食べられるようにしたいものだ。
家に入り、叔母さんのお葬式でお返しにいただいたお茶缶を箱から出して、娘と私とお母さんで、三人で仲良く飲んだ。
なにか、じりじりした胸の痛みを抑えて、一人でパソコンに向かう。窓外では鈴虫が鳴いている。今日の寂しさはどうしたことだろう。読むものがなくて、方丈記なんか読んだからだろうか。この世は無常みたいな気分。真黒い夜の窓を見ると、はりついて腹を動かしている蛙。
それ三界はただ心一つなり。
人にとって、ブログに熱中する事はそんなに格好悪い事なのか?その通り。熱いのはださい。という暗い考えにとり憑かれてしまい、10分で書けるように頑張るとか、逆に日々更新をやめて飛び飛びにしようとか、そんな下らないことに時間を費やしていた。
難しく考えすぎていたみたいだ。私は三本指を大切に書いている。大切、なものには、必ず自分の知らない意味が含まれている。大切に書き続けるうちは、続ける意味があるだろう。
電車の窓に大勢の人の影が映っている。自分が単独の細胞で、とうとう誰とも繋がっていないこと、そして、だからこそ責任をとらなければいけないのだと、ふと思う。こんな厳しさに耐えられるだろうか。それは極めて男性的な発想ではないだろうか。私の先生である沢山の書籍は、ほぼ全てが男性が書いたものなのだった。男言葉と男の世界観を人間の世界観として会得してしまったのではないだろうか。
人にとって、ブログに熱中する事はそんなに格好悪い事なのか?その通り。熱いのはださい。という暗い考えにとり憑かれてしまい、10分で書けるように頑張るとか、逆に日々更新をやめて飛び飛びにしようとか、そんな下らないことに時間を費やしていた。
難しく考えすぎていたみたいだ。私は三本指を大切に書いている。大切、なものには、必ず自分の知らない意味が含まれている。大切に書き続けるうちは、続ける意味があるだろう。
電車の窓に大勢の人の影が映っている。自分が単独の細胞で、とうとう誰とも繋がっていないこと、そして、だからこそ責任をとらなければいけないのだと、ふと思う。こんな厳しさに耐えられるだろうか。それは極めて男性的な発想ではないだろうか。私の先生である沢山の書籍は、ほぼ全てが男性が書いたものなのだった。男言葉と男の世界観を人間の世界観として会得してしまったのではないだろうか。
扇風機を回して寝たら、悪夢を見た。私はテントの中で野営キャンプをしている。物凄い竜巻がだばだばだばだば音をたてて、テントを吹き飛ばそうとする。四隅を手で押さえて必死で抵抗するが、風が物凄い。だばだばだばだば……テントごと吹っ飛ばされそうだ。万事休す。目が覚めた。……目が覚めるなり、コンセントを抜き取った。
嵐の予感の中、バレエに行く為にI駅へ。水曜だった教室は今週から木曜に変更されることになった。レッスン時間も増えて、新しい生徒さんも入会した。自分はいつの間にか古株さんの扱いになっているらしい。この教室では一番古い人になってしまった。鏡の一番見えやすい所、に立っていたり、先生と気安い口をきくのが古株のなれの果てなら、決してそういうことはするまい。
雨風の中、みんなでバレエ。
欠陥だらけの美しさを、毎週こつこつと積んでいくこと。
嵐の予感の中、バレエに行く為にI駅へ。水曜だった教室は今週から木曜に変更されることになった。レッスン時間も増えて、新しい生徒さんも入会した。自分はいつの間にか古株さんの扱いになっているらしい。この教室では一番古い人になってしまった。鏡の一番見えやすい所、に立っていたり、先生と気安い口をきくのが古株のなれの果てなら、決してそういうことはするまい。
雨風の中、みんなでバレエ。
欠陥だらけの美しさを、毎週こつこつと積んでいくこと。
樹が騒いでいる。大型台風の上陸は先らしいけれど。
睡眠不足気味で、朝、包丁を足の上に落とす。運良く床につきささった。夜型生活と朝型生活の問題は未解決のままだ。娘を小学校に送り出したあと昼まで眠ることにした。エネルギーチャージが八割くらい回復。血の気が戻った顔に急いで化粧をする。
お昼、最近知り合ったお母さん友達のYさんと待ち合わせ。落ち着いた店でランチをとる。女性同士でスイーツなど食べながら、お互いの接点を優しく探り合う。外の風が入ったのか、重たい心が明るくなっていく。相手の女性はいい顔で笑っている。ああよかった。
ハンドボールに青春をかけたと笑いながら話すその人の腕は、綺麗な骨格をしていた。格闘技のようにハードに肩をぶつけあうのだそうだ。自分もそんな女性になってみたかったと思う。自分の全く知らない彼女の青春の時間を想像してみる。彼女の腕がふっと動いて、手を広げ、ボールを投げる仕草をする。透明なボールが私の顔の横をすうっと抜けていった。よい過去から来たに違いない。
何をやるにしても、自分独りの力ではどうにもならない。結局、自分自身の不信が苦しさの元凶なのだ。他人に時々迷惑などかけながら、頼ってみる。それが、とても難しい。
家に着くと、壊れてアンテナの立たない携帯電話が一度に沢山のメール着信を知らせてきた。4人の人からそれぞれの用件のメールが届く。風が入ってくるみたいだ。離婚に悩んでいたお母さん友達も、元気になって御礼メールをくれていた。
睡眠不足気味で、朝、包丁を足の上に落とす。運良く床につきささった。夜型生活と朝型生活の問題は未解決のままだ。娘を小学校に送り出したあと昼まで眠ることにした。エネルギーチャージが八割くらい回復。血の気が戻った顔に急いで化粧をする。
お昼、最近知り合ったお母さん友達のYさんと待ち合わせ。落ち着いた店でランチをとる。女性同士でスイーツなど食べながら、お互いの接点を優しく探り合う。外の風が入ったのか、重たい心が明るくなっていく。相手の女性はいい顔で笑っている。ああよかった。
ハンドボールに青春をかけたと笑いながら話すその人の腕は、綺麗な骨格をしていた。格闘技のようにハードに肩をぶつけあうのだそうだ。自分もそんな女性になってみたかったと思う。自分の全く知らない彼女の青春の時間を想像してみる。彼女の腕がふっと動いて、手を広げ、ボールを投げる仕草をする。透明なボールが私の顔の横をすうっと抜けていった。よい過去から来たに違いない。
何をやるにしても、自分独りの力ではどうにもならない。結局、自分自身の不信が苦しさの元凶なのだ。他人に時々迷惑などかけながら、頼ってみる。それが、とても難しい。
家に着くと、壊れてアンテナの立たない携帯電話が一度に沢山のメール着信を知らせてきた。4人の人からそれぞれの用件のメールが届く。風が入ってくるみたいだ。離婚に悩んでいたお母さん友達も、元気になって御礼メールをくれていた。