朝早く、H町の親しい友人からコール。電車を乗り継いで彼女の自宅に行き、一緒に病院まで付き添うことにする。人と話している最中は気持がしっかりする彼女は、少し力が出たのか、早足でホームを行き交う人達の間をぬってカツカツと歩く。普段全く利用する機会のない路線に一緒に乗って、見たことも聞いたこともない駅名を眺めながら、地下鉄の真暗なトンネルや、玩具のような小さな電車の座席を乗り継いで、その病院へ着く。
病院は異様な場所では決して無く、沢山の患者さん達を安心させている場所だというのがよく判る。歯をくいしばりすぎて頭痛がしている友人の隣で、何をするでもなく、じっと坐っていると、彼女の名がようやく呼ばれる。自分の名が呼ばれたようにはっとする。
賭けるというのはきっと、あきらめると希うを同時にするという行為なのだと思う。だからそれは投げ出されて凝視される。不安定な時間の後、彼女がドアから出てくるのを見て、また次の名前が呼ばれるのを聞く。
病院は異様な場所では決して無く、沢山の患者さん達を安心させている場所だというのがよく判る。歯をくいしばりすぎて頭痛がしている友人の隣で、何をするでもなく、じっと坐っていると、彼女の名がようやく呼ばれる。自分の名が呼ばれたようにはっとする。
賭けるというのはきっと、あきらめると希うを同時にするという行為なのだと思う。だからそれは投げ出されて凝視される。不安定な時間の後、彼女がドアから出てくるのを見て、また次の名前が呼ばれるのを聞く。
午前中は草刈り。雨の降りしきる午後、家の中でバレエの練習を伴奏音なしでやってみる。木曜日に起きた事をずっと考えている。バレエのS先生が自分に少し厳しくあたった。身体の力が抜けていますね、と言う。私は寝不足気味の日が続いていたので、知らずに手を抜いていたのだろう。隅々まで力が満ちた特有の動きをとらず、能か舞いのようなスーと抜けた動きで手足を動かしていた。もう歳なのかなあと冗談を言うと、先生は少し顔の色を変えた。それもあるでしょうね、ポワントレッスンは1ヶ月はお休みしたほうがいいかも、と言った。私が何か続きを話そうとしたら、先生はもう一人のレッスンに回ってしまった。自分はあそこで何が起きたか、もう判っている。
何をされたのかも判っている。私は先生に反射的に厳しくしなければと思わせる言動をとったらしい。ただの趣味で楽しんでいる生徒と判断されたなら、先生はバレエを中途半端にやったところで何も言わないだろう。先生の行動を意地悪ととるか愛情ととるかで、随分と人生の解釈が違ってくると思う。今度の木曜日は体調を整えて行こう。歳などという冗談ももう言わないことにしよう。
何をされたのかも判っている。私は先生に反射的に厳しくしなければと思わせる言動をとったらしい。ただの趣味で楽しんでいる生徒と判断されたなら、先生はバレエを中途半端にやったところで何も言わないだろう。先生の行動を意地悪ととるか愛情ととるかで、随分と人生の解釈が違ってくると思う。今度の木曜日は体調を整えて行こう。歳などという冗談ももう言わないことにしよう。
夜、茨城に到着。空はおぼろ月夜で、蛙の盛大な鳴き声が聞こえてくる。あれ蛙ですかと義母に聞くと、そうだよもう鳴いてるわと言う。田んぼの中で何を伝えあっているのか、牛のようにモーモーと騒がしい。あいつら皆で徹夜をするのだろうか。つい3日前までここにいたのに、もう季節が少しずつ様変わりしている。
そういえば、ここ最近は遭遇していないが、昔この近所を運転していて、誰も通らない道路の真ん中に何か落ちてるなと思ったら、仰向けになって蛙が死んでいた。奇麗な体のままで、大の字だった。びっくりして思わず急ブレーキを踏み、車を路肩に停めた。そのサイズといったら標準の猫くらいはあっただろうか。ショックだった。茨城の懐の広さに声もでなくなる思いがした。蛙にかかわらず、ここには、キジ、たぬき、蛇、など、意外な動物がごくごく稀に道を横切って現れる。
明日の天気予報は雨だそうで、草刈りも出来ないかなと心配になる。明日もなるべく前向きに過ごそう。
そういえば、ここ最近は遭遇していないが、昔この近所を運転していて、誰も通らない道路の真ん中に何か落ちてるなと思ったら、仰向けになって蛙が死んでいた。奇麗な体のままで、大の字だった。びっくりして思わず急ブレーキを踏み、車を路肩に停めた。そのサイズといったら標準の猫くらいはあっただろうか。ショックだった。茨城の懐の広さに声もでなくなる思いがした。蛙にかかわらず、ここには、キジ、たぬき、蛇、など、意外な動物がごくごく稀に道を横切って現れる。
明日の天気予報は雨だそうで、草刈りも出来ないかなと心配になる。明日もなるべく前向きに過ごそう。