大切な本棚を見回して、哀しくなる。自分を受け入れてくれた、いや勝手に親近感を感じてきた、これらの世界は、すべて虚、だ。本当のわたしの主人は、実、世界だった。それが判って、幾分かすっきりしたけれど、こんなことが本当に知りたかったのか、なぜ判ってこんなに落胆しているのだろう。
東京に戻ると、夕暮れで、娘といつものように、カートをばかでかい音をさせながら引きずってきた。歩いた距離の正確な分だけ、前に進む実世界。等身大に縮んで、これで丁度いい筈だ。人との付き合い方、生活の仕方、全ての尺度を変更して暮らす。やってみて上手くいかないかも知れない。元々、文章は思い出しながら再現するものだ。今は深夜だけれど、こうやって考えたのは、夕方だもの。
今聞こえたのは、カートの音が、本当に、ばかでかいことだ。
東京に戻ると、夕暮れで、娘といつものように、カートをばかでかい音をさせながら引きずってきた。歩いた距離の正確な分だけ、前に進む実世界。等身大に縮んで、これで丁度いい筈だ。人との付き合い方、生活の仕方、全ての尺度を変更して暮らす。やってみて上手くいかないかも知れない。元々、文章は思い出しながら再現するものだ。今は深夜だけれど、こうやって考えたのは、夕方だもの。
今聞こえたのは、カートの音が、本当に、ばかでかいことだ。
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