小沼妹さん一家が今年も茨城邱に帰省するそうだ。今日車で発って、明日到着との報せを受けて、この家では布団に新品のカバーをかけたり、人数分の茶碗を用意したりして、旅館のように忙しく態勢を整えた。義母は嬉しくて待ちかねている様子だが、持病の膝が痛いらしく、少し足をひきずっている。私と娘は数日後に北海道に旅立つ。自分がいなくなると義母が困ることは判り切っているのだけど、でも私も実家の両親に二年ぶりに娘を会わせたくて、今年は我が侭を通してしまった。親は会わない内に歳をとる、私も会える内にと決めたけれど、本当にこれで良かったのだろうか。考えてみれば、結婚を機に他人になるなんて、母と娘はつまらないことだ。妹さんは今頃、飛ぶような気持で車を運転していることだろう。
義母は交通渋滞の心配ばかりしている。九才の娘も興奮して眠れないらしい。義母の部屋に行くとまだ灯がついていた。きっと二人で明日の相談などしているのだろう。
義母は交通渋滞の心配ばかりしている。九才の娘も興奮して眠れないらしい。義母の部屋に行くとまだ灯がついていた。きっと二人で明日の相談などしているのだろう。
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