嫌がる娘の手をひいて、近所の歯科に行く。真白い部屋で順番を待っていると、娘は診察室の奥から聞こえる音を気にしている。担当になった院長先生は良い方のようで、丁寧に症状を説明してくださる。これはねえ、治すのに三、四回はかかりますね、と苦笑されて、ライトで照らされた患部を指さした。娘は口をあけたまま、私を上目遣いで見る。なんという惨状。永久歯が数本、可哀想なことになってしまった。これは明かに親のわたしの責任で、悪くなると知りつつ、こんなになるまで放置していたのだ。全部きれいに治しますから、その後は絶対虫歯を作らないようにね、と先生は穏やかに治療を請け負ってくれた。
夜、寝入りかけた娘の布団をはぎとって、はみがき!と言うと、そうだそうだ、と言いながら娘は素直に起きてきた。生まれたては、はぐき、次に豆粒みたいな歯、乳歯、それから永久歯。この子は今は自分で歯を磨いている。無事に大人になれるだろうか?二人で歯磨きしていたら、顔がそっくりだと思う。
夜、寝入りかけた娘の布団をはぎとって、はみがき!と言うと、そうだそうだ、と言いながら娘は素直に起きてきた。生まれたては、はぐき、次に豆粒みたいな歯、乳歯、それから永久歯。この子は今は自分で歯を磨いている。無事に大人になれるだろうか?二人で歯磨きしていたら、顔がそっくりだと思う。
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