昨夜に茨城に着いて、今日は1日中家で過ごす。ここにいると、東京生活の何もかもがしなくていい苦労であり、自分の努力は空想的であり、地に足をつけて働かない者は全て不要だ、という諦念めいた思いが湧いてくる。農家中心の暮らしだったこの地域の方言は大変やわらかく、随分と静かな印象さえあるのだが、嫁いでから耳にした言葉「なーに、ねぼけかたってんだ!」相手を嘲笑する時に使われるこの言葉などは、いつ聞いてもはっと身がすくむのだ。「何、寝ぼけ(たことを)語ってるんだ」現実の暮らしに対して、どこか違うのでは、何か判らないと感じて暮している人間にとって、この一言はたいへん手厳しく下剤のように効く。この劇薬にも似た言葉は、それでも薬には違いないのか、仕事の手が止まると何度となく思い出す言葉になっている。
今夜も原稿に向かっていて、合間に日記をつけた。
今夜も原稿に向かっていて、合間に日記をつけた。
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