茨城、六日目。午前中はゴミ処理センターへ行き、午後は外の枯葉掃除をする。タンポポの葉や、枯葉の下で這う蟻の大群などを、仕事の手で忙しく払いのける。
同じ指を、夜キーボードの字を打つために使う。掃除の際に竹の熊手で傷つけた中指に、赤いかさぶたがついている。字を書くことは、1.気付くこと.2.忘れないこと.3.言い表すこと.4.その文と真逆の感情に気付き直すこと、の四つの過程を気力が続く限り繰り返すことで、おまけとして現れる副産物なのだと気が付く。現在ここにいる自分の流れと、もうとっくに過ぎ去ってしまった過去が混ぜ合わさって、やっと文が出来る。あの時に見た蟻の黒さを思い起して、現在の指を無心に動かす、そういった二つの別々の作業をやっていたのだ。だからこれは現在でもないし、過去でもない。そして私は、繰り返しの途中から過去そのものが濁っていく事実に、文を書くことによって初めて気がつく。
同じ指を、夜キーボードの字を打つために使う。掃除の際に竹の熊手で傷つけた中指に、赤いかさぶたがついている。字を書くことは、1.気付くこと.2.忘れないこと.3.言い表すこと.4.その文と真逆の感情に気付き直すこと、の四つの過程を気力が続く限り繰り返すことで、おまけとして現れる副産物なのだと気が付く。現在ここにいる自分の流れと、もうとっくに過ぎ去ってしまった過去が混ぜ合わさって、やっと文が出来る。あの時に見た蟻の黒さを思い起して、現在の指を無心に動かす、そういった二つの別々の作業をやっていたのだ。だからこれは現在でもないし、過去でもない。そして私は、繰り返しの途中から過去そのものが濁っていく事実に、文を書くことによって初めて気がつく。
PR