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人間になればよかった...
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今年最初のバレエレッスン。お月謝を払う時、S先生が「あざらしさん、新しい月謝袋ですよ」と新品をくれた。スタンプが満タンに押された古い袋を見ながら、指を折って数えてみたら四年も経っている。S先生は本気か冗談か、別の教室に旅立ちを考えてもいい頃かも知れないですね、と言った。真意は判らないけれど、この教室は初心者向けだから、広い世界も見た方がいいのでは、という親心なのだろう。
でもS先生は、ご自身がわたしにとってのビーナスだということを、ご存じないようだ。
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急に冬になってしまい、部屋中の暖房器具が活躍しはじめた。気がつくと温風に頼って、部屋を熱帯気候にしてしまっている。
ストレッチを習いに近所の教室へ歩いていく。空き地の蝶はぜんぶ消えた。
今日は生徒さんが5人。皆でゆっくりと骨の繋ぎ目や筋肉の動かし方を勉強していく。自分は人形だとうつ伏せになりながら思う。頭を垂れて、床にひれ伏していると、昔自分が捨てたぬいぐるみをひゅっと思い出した。よく人間にするようにあれこれと話しかけていたっけ。引越の時に一大決心して、庭で火葬に見立てて燃やしてしまった。長いこと思い出しもしなかったけれど。
帰り道、蛇行気味に歩く。人形と同じく人間も古くなる。街はクリスマスバージョンに変わった。電飾で飾られたパン屋さんが信号の真向かいで輝いている。これから一ヶ月、連続クリスマスだ。今年も当日の前に食傷するのは間違いない。個人的にはせめて2週間くらい前から宣伝を始めてくれたらと思うのだけど、人はあまり気にしないのだろうか。
切実にパソコンの画面を見つめて、解決するものなら苦労はしない。書いた端から古くなっていく。文字通り滴も残らない。残らないものならせめて覚えていたい。
午前中ストレッチ教室に行く。無になって身体を二つ折りにした。骨には骨の都合があるのだろう。まったく、曲がってくれはしなかった。
白鳥の湖の群舞を、他の生徒さんと一緒にさわりだけ習う。手と手を複雑に組み合って横一列に並んだ。女性同士で手を握るとお互いに恥ずかしくなって笑う。鏡の前で、列の中程に自分がきょとんとして立っていた。隣の人の足を踏まないよう、優雅とはほど遠い動きで、全員で横に移動した。
人を愛し大切にすることと、見えたことはいつも違う。
また一つ、見知らぬ場所で恥を重ねていた。頭のなかを星が飛び散った。自分の発言の責任はとろうと、溜息ばかりつく。
今日、尊敬するバレエ講師の方のブログを拝見していたら、どこかで見たことのある文章が現れた。以前、悪魔の堅い靴について書いた自分の文が、少しだけ変えてはあったが、ほぼ同内容で掲載されていた。「トウシューズの中の足はどうなっているかと言うと、私も知らなかったのだが、指がピーンと伸びている。ではどこで立っているのかと言うと、トウシューズの前後の固い板に足が挟まっている」上記の文章が突然現れた。いきなり貼られていた。とても驚いた。勿論、無知の見本として。
今夜は星空だなあ。(逃避するな)。バレエを愛し学ぶ方達から、バレエの正しい知識を世に発信しているのか、そういう発言者としての資格を問われていた事は、想定していなかった。
悪魔の堅い靴、などと書き記す私のような素性は一目で直ぐ判るだろうから、専門の方に迷惑はかけなかったと思うし、スリッパを実際に紐でまきつけて怪我した方もいないだろう。ただ色々な方が読むから、バレエに関する誤解の種を世間に発信しないよう、それだけは今後、細心の注意を払いたい、と静かに眼をとじた。
《※あの靴は足指、足裏、甲など、複数の要素が絡んで正しく立つ事が初めて可能になります。6月20日付の日記は極端に誇張されていますので、詳しく知りたい方はバレエ専門のページを覗かれる事をお薦めします。それからトゥシューズ以外の靴で立つ話はすべて冗談です。もし試した方がいたら、私のあんこ頭と同類です。あなたもモナカの仲間だ!》
家で過ごしている時、隙あらばストレッチをしている。週3回レオタードを着る機会が出来て、洗濯が追いつかなくなった。新しいのを買おうかなと一人空想したり、これ以上家族へ迷惑をかけては、と我に返る。とっくに迷惑はかけているのだ。部屋掃除が手抜きになる。ご飯がお粗末になる。いつでもどこでも居眠りするようになる。身体が出来ること以上の気力を要求してくるみたいだ。
今日もストレッチ教室でB先生の指導を受けた。もう週に2回通うようになるかも知れないと思う。I駅の教室と足すと、週に3回。さすがにそこまで行くと、まずいかと思う。
今日の教室では10人ほど生徒さんが来ていたので、両手を伸ばすスペースもなかった程だった。他の方にぶつからないよう気をつけても、足と足がぶつかった。それでも楽しい。何をどう失敗しても、この楽しさには他に替わるものがない。
家にある未読の本を読みながら、片手間に体操している。勉強も楽しい。運動も楽しい。今日は何をしてもやり甲斐を感じた日。
近所のストレッチ教室へ歩いていく。通り道の原っぱに、先週見かけた蝶がどうなったか気になって、なんとなく見る。僅かに、2匹だけ見つけた。
時間は平たいのではなく、むらむらと凹凸があるように思える。密度の濃い時間には全力であたり、そうでない時間にはきちんと休憩を取らなければいけない。膨大な待ち時間、と思えた問題は少し前進した。出した答えは、待ち時間は、きちんと待て。
B先生の指導で、普段使うことのない部位を意識しながら、無理をせずに伸ばしていく。身体の特定の場所に力を入れようとすると、その周辺もつられて動かしてしまう。力を抜くのは思っていたよりずっと難しい。いてて、と声が出る。子供の時から何十年も訓練を続けてきた人と、僅か3年ごとき習った程度の肉体で肩が並んだとしたら、神様はよほど不公平だ。大切なのは、自分が二度と繰り返されない事を身に染みて知ること、その方程式を他人にも代入することだと思う。
大きな鏡に、B先生を中心に、生徒さん達の動きが揃って映る。端に映っている自分もいた。左右反転した向こう側の世界。
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