土曜日、茨城。朝に起きると庭で義母が枯葉を焼いていた。外に出て、一緒に霜のついた葉をかき集めながら、燃えあがる炎を眺めた。煙が霧のように視界をさえぎって真白に漂っている。煙の奥にいる義母は小さく見えた。
昼、芋が焼けた頃、親戚の女の子が遊びに来た。この子と娘との雑談を聞いていると、なんとなく面白かった。「あのね、わたしの友だちの○ちゃんのおじいちゃんが、交通事故おこしちゃったんだって」「へー、死んだの?」「ううん、生きてるの。それでね、○ちゃんも車に乗ってたんだって。それでね、はじめて救急車に乗ったんだって」「へー」「でね、わたしね、どんな感じなの?って聞いたの。そしたら、なんて言ったと思う?」「なんて言ったの?」「あのね、すっごく、きれいだったんだって」
昼、芋が焼けた頃、親戚の女の子が遊びに来た。この子と娘との雑談を聞いていると、なんとなく面白かった。「あのね、わたしの友だちの○ちゃんのおじいちゃんが、交通事故おこしちゃったんだって」「へー、死んだの?」「ううん、生きてるの。それでね、○ちゃんも車に乗ってたんだって。それでね、はじめて救急車に乗ったんだって」「へー」「でね、わたしね、どんな感じなの?って聞いたの。そしたら、なんて言ったと思う?」「なんて言ったの?」「あのね、すっごく、きれいだったんだって」
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翌朝まで深酒をした。友人の皆は真暗で寒そうな明け方に帰って行った。三時間後にバイト先へ向かわなくてはいけなくて、寝ないことにして、酒の残った体でシャワーに入り身支度を調えた。何度も洗面台に手をついて、ダメかな、と呟きながら、人生って楽しいな、という気持ちが沸いた。酒精のせいか、友人達のせいだったかは判らない。肉体の辛さは自業自得だった。
その後の事は覚えていない。釣り銭間違いと、店で倒れることの二つだけは厳禁と呟きながら自転車をこいでいた事と、店内のレジ前の菓子棚で、ビスケットの絵が描かれている積まれた菓子の箱の配列、その二つだけが鮮明に頭に残っている。多分、無事に終わったのだ。家では優しい家族と布団の眠りが待っていた。
その後の事は覚えていない。釣り銭間違いと、店で倒れることの二つだけは厳禁と呟きながら自転車をこいでいた事と、店内のレジ前の菓子棚で、ビスケットの絵が描かれている積まれた菓子の箱の配列、その二つだけが鮮明に頭に残っている。多分、無事に終わったのだ。家では優しい家族と布団の眠りが待っていた。