16分後には、どう揺すっても起きない娘を前に頭を抱える羽目になり、現実はやはり思い通りにならない荒馬、書いてしまった日記と現実を擦り合わせようとしたが、結局は茨城に出発できなくて、東京でまぬけな気持で一晩を過ごした。
今日は早起きして出発し、お昼に茨城に着く。義母は私達の到着を待ちかねて、足をひきずりながら駅まで迎えに来てくれた。聞くと昨晩は立ち木が線路に倒れる事故が起きて、復旧作業に数時間かかったとのこと。もし無理に娘をひきずって上野駅に来ていたら、途中で立ち往生したに違いない。だから、昨日はあれで良かったのだ。悪いことだと思っていた出来事が、実は幸運だったと知ると不思議な気がする。
明日はもう東京にUターン。リズムが狂って四苦八苦。半分眠ったまま荒馬の背に乗って、あっちに行ったり、こっちに行ったりだ。
今日は早起きして出発し、お昼に茨城に着く。義母は私達の到着を待ちかねて、足をひきずりながら駅まで迎えに来てくれた。聞くと昨晩は立ち木が線路に倒れる事故が起きて、復旧作業に数時間かかったとのこと。もし無理に娘をひきずって上野駅に来ていたら、途中で立ち往生したに違いない。だから、昨日はあれで良かったのだ。悪いことだと思っていた出来事が、実は幸運だったと知ると不思議な気がする。
明日はもう東京にUターン。リズムが狂って四苦八苦。半分眠ったまま荒馬の背に乗って、あっちに行ったり、こっちに行ったりだ。
金曜は茨城に出かける日。小学校の授業が新学期から6時間になってしまい、帰ってきた娘は疲れきってぐうぐう寝ている。出発時間になっても起きられず、揺り動かすとひどく泣き出した。茨城には行きたいよ、起きるのはつらいよ、と言って泣きじゃくっている。仕方ない、一時間電車を遅らせることにして、待ち時間の間にこの日記をつけている。
苛々した気持は書き留める意味がないようだ。娘の呼吸の音を聞きに行き、静かな気持になる。早すぎず、遅すぎない時間の過ごし方を今日は目指してみよう。あと15分したら立ち上がり、娘を揺り動かし、この部屋の電気を消そう。家の鍵をかけて、雨の中をなるべく娘の速度に合わせて歩こう。それが今日の努力だ。15分。……娘の寝顔。
苛々した気持は書き留める意味がないようだ。娘の呼吸の音を聞きに行き、静かな気持になる。早すぎず、遅すぎない時間の過ごし方を今日は目指してみよう。あと15分したら立ち上がり、娘を揺り動かし、この部屋の電気を消そう。家の鍵をかけて、雨の中をなるべく娘の速度に合わせて歩こう。それが今日の努力だ。15分。……娘の寝顔。
バレエを続けていると、動きの良い身体を作る必要にせまられて、いつも身体にいい食べ物や、足腰を強くする方法を考えるようになってきた。CSで放送されるヨガを時々やってみると、気持がポジティブになって、全身状態が向上するのが判る。胃や腸は小さな痛みの内に手当されて、静かな呼吸と共に怒りも哀しみもない世界に入っていく。中原中也や梶井基次郎の本を読んで、自分がこの人たちを虚弱体質や神経症のせいと思う日が来るのではないかと恐れている。バレエは美を、ヨガは身体と心の一体化を目指すように思うが、字の世界は不完全な人間の、不完全さを肯定する事を目指している気がする。わたしは惹かれるものが増える度に迷い、自分が何を第一に優先して暮らすべきかを、ますます決めかねている。