二人の友達

朝、Ｈ町駅の友人からコール。先約があって行けないと伝えると、彼女は判ったと言って電話を一度切ったが、そのあとまた電話がきた。どうしても会えないかな、と切実に聞く。先約があって行けない、と同じ説明をする。電話を切った後、泣きたくなった。私は別にしっかり者じゃない。滅入っている日もある、彼女が元気になってくれないと、ありのままの状態をそのまま見せられない。
今日はお母さん友達のＹさんと一緒にデパート巡りをした。待ち合わせて電車に乗り、Ｉ駅のパルコなどで洋服を見た。赤い色を使った可愛らしい店でランチなどする。焼きたてのパンがお代わり出来る店だ。子育ての話などして、たまには息抜きもいいよね、といいあう。Ｙさんはスポーティで、自然で、良く笑う。私の頬は、少し不自然な感じに動く。都会の洋服売り場では、心が緊張するからだ。

きゅうりと三本指

もう夏と呼んで差し支えないお天気の下、茨城の畑できゅうり２本もぐ。それを直に鞄にいれてもらい、帰りの特急に乗り、あれっなんか細長いものが入っている、と思ったら、割れてふたつになっていた。東京と茨城を行ったり来たりの往復暮らし、何年でも長く続けば続くだけ良い事だ。それは私の家族の健康状態が変わらないことの証なのだった。きゅうりは、おつけものにすれば食べられるだろう。
ここ一ヵ月間くらい、一日の質の違いが見えなくなっている。三日前の出来事が思い出せなくなった。明け方に何故だか心臓の不調で目が覚めることも増えた。昨日も覚めた。時期のせいとも思えない。たぶん、この日記のせいなのだろうと思っている。日常の些末な材料で、ただ更新を続けることが本当に何かのためになっているのか、と自信がなくなってきた。世界は象の何千倍も頭のいい人達が山のようにいて、有益なことを沢山書いている。自分は割れたきゅうりを眺める。自分に飽いたら、自分に失礼ではないだろうか。いつから有益なことを書こうなんてさもしい事を考え始めたのか。毎日更新の手垢が、一年続けたことで溜まってしまったのだろう。今日は念入りに手を洗って、眠らなくては。

不調

うんうんうなって一晩が明け、朝になったら頭痛が去っていた。この頭痛がとれるならどんなことでもしますから、と夜中の天井に祈った事がおそろしい。私は何と引き換えにしてしまったのだろうか。
茨城の朝は夏の暑さで、草丈は青々と伸び、日差しはすでに色々な場所に影を作っていた。居間はしんと静かで、昨夜食べ損ねたご飯茶碗が伏せられたままになっている。やはり体調がいい時が勝負で、その時に考えられる事はみな考えてしまわないと、何かのはずみでいずれ操作がきかなくなってしまうのだろう。
今日も体調があまりすぐれず、家で静かにして過ごした。今日は義父の命日だったので、お墓参りをした。

着いた……

いつもより遅くに茨城に着く。朝から体調が悪かったのだが、電車の冷房がききすぎていたせいか、どんどん頭痛が酷くなって、茨城で運転しながら幽体離脱していた。やっと着いたので、この日記だけ書いて今日は休むことにした。

貴重なものを

蒸し暑い気温が続いている。今日はニュースのなにもない日だった。授業を終えて帰ってきた娘が、玄関にランドセルを放り出すなり、｢お母さん、今日一番のビックニュース！聞いて聞いて！｣と大声を出したので、何の騒ぎだい、と聞いたら、｢お母さん、超よろこぶよ。高級品、これ、本もののシルク！｣と大切に握っていた灰色の毛玉を私にくれた。うっと思う。理科の実験で育てていた蚕の糸らしい。蚕ちゃん、この糸をとるために死んでくれたんだ。だから大事にしないとね。お母さんにも半分あげる。
言っとくけど、それ、本物だからね！と娘は念を押して、元気よくまた外へ出ていった。

がっかり

この街には薬局がやたら沢山あり、意味が判らないなといつも思う。薬を買ったりする機会はあまりないので、前を通りかかっても用事がない。新しい店舗が出来る度に、今度はなにが出来るんだろうと胸ときめくのだが、結果、新しい薬局だったりして本当にがっかりする。この前は街で唯一のビデオ屋が潰れてしまい、あとに何か店舗が入ったので、なにかなと思ったら、大きくて立派な薬局が出来た。今日駅前に行くと、半年以上空き店舗になっていた場所に工事の人が忙しく立ち回っている。今度は、飲食店風の自動ドアがついている。いよいよ何かお店ができるのかなと嬉しくなる。看板を見たら牛丼屋だ。今度は牛丼屋の前に牛丼屋が出来た。