重苦しい気分が朝まで続いていた。台風の中、私鉄を乗り継いでS先生のバレエ教室へ行った。体を動かしている内に少し気分が軽くなった。起きてしまったことは仕方がない。皆が全員悪いか、皆が全員悪くないか、ということかな、と相棒に言うと、どちらも同じことだなと相棒は答えた。考えても無駄だ、と言って仕事に出かけていった。担任の先生は冗談を言うことの下手な人だった。子ども達に対しても真面目で厳しく、正しいことを志向し、努力されていたように見える。子供たちはそれを除けてしまった。もうそれは古くさいものとして、彼等が生きる上で無用と見なされたのかも知れない。
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