K井草駅という駅へ行く。電車の発車メロディが機動戦士ガンダムだったのでちょっと笑った。ここはアニメの町を名乗っているとのこと。去年、いとこのMちゃんが上京したのに続き、今度は弟のAくんが北海道を離れて、この町で暮らす為にやってきた。軽音楽の専門学校で作曲と唄を学ぶとのこと、表情は明るく、不安そうな気配はない。
自分が上京した17年前、ほとんど面識のなかった東京の叔父という人が、不動産を回って新しい部屋を世話してくれた。顔も知らない姪の為に随分色々と骨折ってくれたのだが、別れ際に真顔で、あざらしちゃん、帰れ、と言った。映画の専門学校なんてな、そんな世界で芽が出る人なんか、ほんの一握りだ。諦めて帰れよ。
Aくんを見ていたら、叔父の言葉がしきりと思い出されて、あの半開きの何か言いたそうな口や、叔父の心配そうな目を思い、自分は本当に恩を受けたと思った。後になってから判ることって沢山あるよ、とAくんに言うと、そうかな、と軽い調子で笑っていた。
自分が上京した17年前、ほとんど面識のなかった東京の叔父という人が、不動産を回って新しい部屋を世話してくれた。顔も知らない姪の為に随分色々と骨折ってくれたのだが、別れ際に真顔で、あざらしちゃん、帰れ、と言った。映画の専門学校なんてな、そんな世界で芽が出る人なんか、ほんの一握りだ。諦めて帰れよ。
Aくんを見ていたら、叔父の言葉がしきりと思い出されて、あの半開きの何か言いたそうな口や、叔父の心配そうな目を思い、自分は本当に恩を受けたと思った。後になってから判ることって沢山あるよ、とAくんに言うと、そうかな、と軽い調子で笑っていた。
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