B先生のバレエの稽古を受けに行く。先生曰く、バレエを子供の時から習っている方の多くは、外国人コンプレックスに陥るのだそうだ。長い足や高い鼻、きびきびした自己主張のある動き。高みを目指していくと、肉体自体の問題に辿り着くのだろう。物事は続ければ続けるほど、方程式がどんどん、ややこしくなる。どんな訓練にも迷宮が待ち構えている。だからといって、迷宮をくぐってみるより他、どんな道があるだろうか。初心にかえるつもりでいても、初心にはなれない。そうして、最初の頃は楽々書けたのに、とか、怖いもの知らずの方がうまく出来た、とか、そういう、存在しなかった満ち足りた時間を、空想するようになる。
原稿が上手く書けなくても、字を長く続けたから、必然的に迷宮におちたと言えない事もない。うまくいかない日が続いて苦しい。
原稿が上手く書けなくても、字を長く続けたから、必然的に迷宮におちたと言えない事もない。うまくいかない日が続いて苦しい。
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